プロフィール

アナかると! アナウンサーが、仕事の裏話や今気になること、さらにはプライベートまで大公開!!


そのロープというのが、地上10メートルに張られたたった一本のロープ。
忍者のようにバランスを保ちながら渡っていくのです。
下を見るだけで足がすくみます。


これは、ビル火災や地震災害などで高い場所から人を救助するための技術を身につけるため。
訓練とはいえ、皆真剣です。


次々のロープに挑む生徒さんを何度も見送りながら、必死にやり方を覚えます。
教官から「シカナイ!お前のやる気見せてもらおうじゃないか!」と言われ、心の中では「絶対無理だぁー(涙)」と号泣していましたが、「はっ、はい!がっ、がんばります。」と声を絞り出しました。


そして、意を決してスタート。
たった一本の細いロープに身を委ね、震える手を押さえながら少しずつ少しずつ前に進みます。
周りの生徒さんの応援が遠くからぼんやり聞こえます。


「力入ってるぞ!足の力を抜け!」
「下を見るな!前だけ見ていけ!」
「大丈夫!お前なら出来る!」
「落ち着け!落ち着け!あと少しだ!」


今日初めて出会い、私のせいで腕立て伏せをさせられたにも関わらず、彼らは自分たちの仲間のように必死に声を張り上げ、応援してくれました。
「絶対に無理!」と思っていた私も、教官、生徒さんみんなの声援に励まされ、「絶対に渡りきってみせる!」という思いに変わっていました。
そして、奇跡的になんとか渡りきることができたのです。
地に足がついたとき、感極まり号泣。
生徒の皆さんが拍手で迎えてくれ、鬼教官からは「よくやった!」と初めてお褒めの言葉を頂きました。
あの時の震えと達成感は今でも忘れられません。


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