ティツィアーノ・ヴェチェリオ 《祝福するキリスト》

ティツィアーノ・ヴェチェリオ 《祝福するキリスト》
1570年頃 油彩・カンヴァス

©Photo: The State Hermitage Museum, St. Petersburg, 2012

ティツィアーノ(1488/90-1576)は盛期ルネサンスを代表する画家の一人であり、ローマ、フィレンツェと並ぶイタリア芸術の中心地ヴェネツィアで活躍した。豊潤な色彩表現を得意とし、堂々たるスケールと、甘美さと豪華さを併せ持ったその作風は、全ヨーロッパの宮廷から注文が殺到した。肖像画、宗教画、寓意画など、あらゆるジャンルでその天才を発揮したが、ここでは全能を象徴する水晶珠を左手に持ち、祝福のために右手を上げるキリストの姿を力強く描き出している。