アンリ・マティス《赤い部屋(赤のハーモニー)》
目を射る鮮烈な赤と、その上を這う青い植物文様。二つの色の鋭い対比が生み出す緊張感と躍動感を、画面中央を水平に横切る果物の黄色が和らげ支えている。絵画というものは色と形の組み合わせによって出来上がっている、という当たり前のことをこの作品は気づかせてくれる。そして、その組み合わせ方によって、どれほど強烈な表現が可能かということも教えてくれる。横2メートルを超えるこの大作の前に立つと、時が経つのを忘れる。エルミタージュの至宝であり、マティス(1869-1954)生涯の傑作である。