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2006年11月12日放送
「洗濯の科学」

今回のテーマは「洗濯の科学」 洗濯による汚れの落とし方を徹底分析!
過去の実験一覧はコチラ!!

■泥汚れとは?

泥汚れとは小さな石や砂が布の繊維に引っかかっているもの。
繊維(せんい)同士をこすったりする摩擦(まさつ)の力や、
揉んだりする力で落とすことが出来る。

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■ラグビーで洗濯をしよう!

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<実験内容>

卵型ケースの中に泥汚れのついた靴下を入れる。
このケースでラグビーの練習をし、摩擦の力だけで汚れがどれだけ落ちるかを調べる。

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<結果>

摩擦の力だけでは、ほとんど泥汚れは落ちない。

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<追加実験>

先程の実験に水を入れた場合を調べる。

<結果>

泥汚れがキレイに落ちた!

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《解説》

泥汚れを落とすには、まず摩擦の力によって、
繊維の間に入り込んでいる泥汚れを表面に浮き出させることが必要。
しかし、摩擦の力だけでは泥汚れを落とすのは難しいので水を加える。
すると、水の力で表面に浮き出した泥汚れを流し、取り除くことが出来る。
ただし、上手く洗濯をするためには、洗濯物と水の適切な量があり、
水に対して洗濯物の量が多すぎても少なすぎても効果は薄くなる。

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■油汚れとは?

体から出る脂(皮脂)などの汚れ。
この汚れは摩擦や水の力だけでは落とすことは出来ない。
この汚れを落とすには洗剤が必要。

■洗剤の秘密

<実験方法>

水を入れたビーカーと水に少量の洗剤を混ぜたビーカーを用意する。
この2つにサラダ油を入れ、かき混ぜる。

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<結果>
  • 水を入れたビーカー
    かき混ぜてもサラダ油が水面に浮いてしまい、混ざらない。
  • 水に少量の洗剤を混ぜたビーカー
    水とサラダ油が一気に混ざる。
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《解説》

洗剤には「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」と呼ばれる成分が入っている。
この「界面活性剤」が油を取り囲み、小さなつぶにしたため、水と油が混ざった。

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■界面活性剤(かいめんかっせいざい)の仕組み

界面活性剤の分子はマッチ棒のような形をしており、
水になじみやすい部分、油になじみやすい部分の両方を持っている。
その油になじみやすい部分が繊維に付いた油汚れに吸着して包み込む。
すると、水に馴染みやすい部分が油汚れの表面を覆い、
水に溶けやすくなる。

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■パスタのゆで汁で油汚れ退治!?

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<実験方法>

あらかじめ油汚れを付けたTシャツを洗濯機の中に入れ、パスタのゆで汁で洗ってみる。

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<結果>

ほとんど油汚れが落ちた!

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【解説】

パスタのゆで汁には「サポニン」と呼ばれる、
食材などに含まれる植物性の界面活性剤が入っている。
この「サポニン」が洗剤の界面活性剤と同じ働きをしたため、
Tシャツの油汚れが落ちた。

※ご家庭で実験する場合は、バケツ等を使用して下さい。
洗濯機を使用すると、洗濯機に匂いが残ったりする事があります。

■美人の湯は何で美人の湯?

「美人の湯」にはアルカリの成分が入っている。
そのアルカリ成分が肌の「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)」という アルカリと反応しやすい脂と結合すると、石けんのような物が出来る。
[石けんはアルカリ成分(水酸化ナトリウムなど)と油(オリーブ油など)を化学合成して作られる]
それが石けんの役割を果たし、他の肌の脂まで落とす。
そのため「美人の湯」に入ると肌がキレイになると言われている。

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★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。