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2006年12月31日放送
「金」

今回のテーマは「金」!
金の性質に隠された3つの謎… その他、金の採掘方法から、金を作る?裏ワザまで ラブラボ!が徹底解明しちゃいました!
過去の実験一覧はコチラ!!

■「金の延べ棒」が出来るまで(鹿児島県菱刈鉱山)

  1. 金は火山地帯などの地中深くにある鉱脈(金鉱脈)から採掘する。
    採掘するには金鉱脈に穴を開け、ダイナマイトを詰め込み爆破する。
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  3. 爆破によってバラバラになった岩を運び、金を含む岩と含まない岩を選別する。
    金を含む岩には色の濃いラインが付いている。
    そのラインを目印として、 ベルトコンベアーで流れてきた岩を目で見て選別する。
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  5. 選別された岩は大きなトラックで港に運ばれ、船で愛媛県にある工場へ。
    工場へ運ばれた岩は、1500℃以上の高温で溶かされ、金だけを取り出す。
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  7. どろどろに溶けた金を型に流し込み、冷やして固めれば「金の延べ棒」の完成!
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■金の性質の謎1 金はとっても重い?

<実験道具>
  • アルミ
  • 測量計
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<実験方法>

全く同じ体積のアルミ、銅、金を用意して、それぞれの重さを量る。

<実験結果>

アルミや銅に比べて金は圧倒的に重い

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【解説】

金は他の金属に比べて比重が高い。
そのため金がアルミや銀と同じ体積であっても、 体積あたりの密度の差で、金の方が重くなる。

※比重…ある物質の密度と同じ体積である水の密度との比。
水が基準となっているため、水の比重は1となる。

■金の性質の謎2 金は溶ける?

<実験道具>
  • 銅の板
  • 銀の板
  • 金の板
  • 硝酸(しょうさん)
  • ピンセット
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<実験方法>

銅、銀、金の3種類の金属をそれぞれ※硝酸という強い酸性を持つ液体に入れていく。

<実験結果>
  • 銅…勢い良く溶ける。
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  • 銀…少しずつ溶ける。
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  • 金…全く溶けない!
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金は他の金属が溶ける程の酸性の強い液体に入れても溶けない!(安定性が高い)

※硝酸は劇薬です!実験する場合は十分に注意して下さい!

■金を溶かす液体「王水」

そんな安定性の高い金を簡単に溶かしてしまう液体が「王水」。 (通常の酸に溶けない金などの貴金属をも溶かしてしまうので、この名がある) 塩酸と硝酸を3:1の割合で混ぜた液体であり、金だけを溶かして取り出すのに使われている。

金は電気をよく通すため、パソコンや携帯電話などの電化製品に使われているが、 採れる量が少なく、とても貴重な金属なのでリサイクルすることが重要とされている。 そのため「王水」はリサイクル工場で不用になった電化製品から、 金だけを溶かして取り出すのに使われている。

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■金を溶かす身近な液体「ヨードチンキ」

<実験道具>
  • 金箔(きんぱく)
  • 温めたヨードチンキ(約70℃)
  • ※ビタミンC溶液
  • ピンセット
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<実験方法>

温めたヨードチンキの中に金箔を入れ、かき混ぜる。

<実験結果>

金箔は溶けてしまった!

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【解説】

金は酸性の強い「王水」だけでなく、 一部の★有機溶媒(ゆうきようばい)にも溶けることが最近の研究で分かってきた。 ヨードチンキは★有機溶媒の混合物のため、金を溶かすことが出来る。


※金が溶けたのを確認するのには…ヨードチンキの中にビタミンC溶液を入れると、 ヨードチンキが透明になります。

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★有機溶媒…炭素原子を基本とした液状の有機化合物。

■金の性質の謎3 何で「金色」に見える?

<実験その1>

銀色の折り紙をオレンジ色の水性顔料ペンでぬる。

<実験道具>
  • 銀色の折り紙
  • オレンジ色の水性顔料ペン
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<実験結果>

オレンジ色をぬった部分は金色に見えた!

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<実験その2>

透明な板に張った金箔を照明の光に透かして見る。

<実験道具>
  • 金箔
  • 透明な板
  • 照明
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<実験結果>

金箔で透かして見た照明の光が青緑のような色に見えた!

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【解説】

金は光の中の赤や黄色といった色を反射する性質がある。
その反射した色が混ざり合うことによって金色に見える。
そのため、銀色の折り紙にオレンジ色をぬることで、金色に近い色に見える。
逆に光の中の青や緑といった色は吸収されてしまうため、 薄い金箔を通して光を見ると、青緑のような色に見える。

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■でんじろうマジック 金を作る?

<実験道具>
  • 銅を亜鉛でコーティングした板
  • アルコールランプ
  • ※水
  • ピンセット
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<実験方法>

銅を亜鉛でコーティングした板をアルコールランプで熱する。

<実験結果>

板が金色に変わった!

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【解説】

銅を亜鉛でコーティングした板をアルコールランプで熱することで、 亜鉛が溶け、銅の表面も少し溶ける。
すると、銅と亜鉛が混ざり合い、金色の物体になる。
この金属を「真鍮(しんちゅう)」といい、5円玉や金管楽器に使われている。

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※熱した板はとても熱くなりますので、一旦、水につけて冷まして下さい。


★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。