テーマ画像

2007年04月01日放送
「自転車の科学」

今回のテーマは「自転車の科学」!
知られざる自転車の不思議を徹底解明!
過去の実験一覧はコチラ!!

■バランスの秘密を徹底解明!どうして自転車は倒れない?

〜ハンドルの秘密〜

<実験内容>

ハンドルをヒモで固定した自転車を押して走らせると・・・

イメージ画像
<実験結果>

すぐに倒れてしまい走らない!

イメージ画像
<補足実験>

固定したヒモを外しハンドルを自由にしてから、
自転車を押して走らせると・・・

イメージ画像

倒れずに走る!

イメージ画像
《解説》
  1. 自転車の前輪部では、かじ取り棒(前ホーク)が
    フレームから延びて前輪軸をつかんでいる。
    この前ホークは前方に向かいカーブを描いている。
    イメージ画像
    この事で、ハンドルの重心が車輪の回転中心点より前になり、
    自転車の傾いた方向にハンドルが自然に曲がるようになっている。
    これが、傾きを方向転換の力に変え、自転車を倒れにくくしている。
    イメージ画像
  2. また、かじ取り棒の延長線と地面との間にできる角度をキャスター角というが、
    これは、自然に進行方向を向く「キャスター」のような働きをし、
    (1)で曲がったハンドルを元に戻そうとする復元力が働く。
    こららの複合的な働きによって直進安定性が高まり自転車は倒れにくくなっている。
    イメージ画像

〜車輪の秘密〜

<実験道具>
  • 自転車の車輪
イメージ画像
<実験方法>
  1. 車輪を両手で持ち、回転させる。
    イメージ画像
  2. 片方の手を離すと・・・
    イメージ画像
<実験結果>

手を離した方向へ体を軸として回転する!

イメージ画像
《解説》

自転車は車輪が回転する事で一方向に姿勢を保とうとする力が働き、
倒れずに走る事ができる。
この車輪の回転によって作られる働きの事を「ジャイロ効果」と呼ぶ。

イメージ画像

■針金に隠された意外な秘密

スポークはニップルと呼ばれるネジで輪(リム)にとめられていて、
他のスポークと交差するように角度がつけられている。
そして、ハブと呼ばれる車軸の中心部の穴に
スポークの頭の曲がった部分を引っかけて取り付けられている。

イメージ画像イメージ画像イメージ画像

スポークは吊り橋のように車輪の軸にかかる力を引っ張って支えている。

イメージ画像

■ドキドキする車輪の実験

<実験道具>
  • 自転車(軽快車いわゆるママチャリ)
    イメージ画像
  • ニッパー
    イメージ画像
<実験内容>

自転車の前輪についている針金(スポーク)を一本ずつ切っていき、
残り何本まで走る事ができるのか?

イメージ画像

実験で使用した自転車のスポークの数は36本。
果たして一体何本まで耐えられるのか!?

イメージ画像
<実験>

全体の6分の5を取り外した6本で挑戦!

<実験結果>

多少車輪がぶれるがクリア

イメージ画像
<実験>

1本取り外し5本で挑戦!

イメージ画像
<実験結果>

全くバランスがとれず、前に進めない!
スポークが歪み、車輪がグラグラしてしまい、走行不可能になった!!

イメージ画像イメージ画像
<最終実験結果>

前輪のスポークが6本まで減っても走る事ができる。

■車体の強さを面白実験で解明!

<実験内容>

角材で四角い枠を作り、テープでとめた物を2つ用意する。
一方はそのままの四角、もう一方は中に筋交いをいれた状態で、
木枠に同じ重さのおもりを取り付けると・・・

イメージ画像イメージ画像
<実験結果>

四角い木枠だけの方は、簡単に壊れてしまうが、
筋交いの入っている方は壊れない。

イメージ画像イメージ画像
《解説》

四角形は外から圧力を受けるとひし形に変形して潰れてしまう。
それを避ける為には角度が変わってしまう四角形の辺を固定すればよい。
その為に四角形の対角線上に筋交いを入れ、この角度が変わらないようにする。
そうする事で、この木枠は三角形が2つある組み合わせになる。

イメージ画像

三角形は最少の辺で形が確定し、
外からの圧力に強いという性質を持っている為、
筋交いを入れた木枠は頑丈な構造になる。
この原理が自転車のフレームにも利用されており、
観察するとフレームのあちこちに三角形を見つける事ができる。

イメージ画像
【補足】

サドルと前輪の間のフレームが湾曲しているのは
衝撃を吸収しやすくする為の構造。

イメージ画像
★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。