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2007年06月10日放送
「紫外線」

今回のテーマは「紫外線」
過去の実験一覧はコチラ!!

■でんじろう先生の科学マジック カメラで袋が爆発!

フラッシュの付いたカメラを使って、一見何も入っていない袋を撮影すると・・・

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袋が爆発!!

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【種明かし】

袋の中には塩素ガスと水素ガスが同じ割合で混ぜられていた。

これらの気体がカメラのフラッシュに含まれる「紫外線」を受け、化学反応をおこして爆発した。

■紫外線とは一体何?

自然光を※グレーチングシートに通すと、紫・あい・青・緑・黄・だいだい・赤の7色の光に分けられる。

この両端の赤い光と紫の光の外側にも見えない光が存在していることがわかり、赤の外側の光を「赤外線」、紫の外側の光を「紫外線」と呼ぶようになった。

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※グレーチングシート・・・自然光を7色に分光できる特殊なシート。

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■紫外線で見える驚きの世界

※ブラックライトでワイシャツ・お札・ハガキをそれぞれ照らして、その変化を観察する。

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※ブラックライト・・・紫外線を放射するライト。

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<実験1・ワイシャツの場合>

青白く光った!

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<実験2・お札の場合>

お札に押されている印章が光った!

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<実験3・ハガキの場合>

バーコードが浮かび上がった!!

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【解説】

ワイシャツ・お札・ハガキがそれぞれ光ったのは、紫外線に反応する※蛍光物質(けいこうぶっしつ)が使われているため。

ワイシャツは洗濯するときに使われる洗剤に蛍光物質が含まれており、お札には偽造防止(ぎぞうぼうし)のため、印章部分に蛍光インクが使われている。

そして、ハガキには配達先を機械で仕分けするためのバーコードがハガキの文面を損なわれないように、通常の光では目に見えない蛍光インクで印刷されている。

※蛍光物質・・・目に見えない紫外線を吸収し、目に見える光に変える物質。

■蛍光灯と紫外線の意外な関係

<蛍光灯が光るのは?>

蛍光灯の内部には水銀蒸気が満たされており、電気が流れると、両端にある電極の間を電子が飛ぶようになっている。

この時、菅内部にある水銀原子と電子がぶつかることで紫外線が発生し、さらに、菅の内面に塗られた蛍光物質が、この紫外線に反応して明るく光る。

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<実験方法>

蛍光物質が塗られていないガラス管に、半透明の日焼け止めクリームで薄く文字を書き、その周りを蛍光物質が塗られている菅で覆うと・・・

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<実験結果>

日焼け止めクリームを塗った部分が黒く浮び上がった!

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【解説】

日焼け止めクリームには紫外線を反射する成分が含まれている。

このため、人の目では何も塗られていないように見えても、クリームを塗った部分だけが紫外線を跳ね返し、蛍光物質の付いた菅で覆っても発光せず黒く浮び上がった。

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■紫外線の世界をのぞいてみよう

<実験方法>

※紫外線フィルターを付けたビデオカメラを通して、トルコギキョウ・ヒマワリ・ペチュニアをそれぞれ見る。

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※紫外線フィルター・・・自然光に含まれる紫外線だけを通すフィルター。

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<実験結果>

普段、私達が見ているモノとは全く違った色や模様が浮かび上がった!!

トルコギキョウ

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ヒマワリ

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ペチュニア

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【解説】

花の周りが白く、内側が黒く見えたのは、虫が蜜(みつ)の場所を見つけやすいようにするため。

これは蜜を吸いにきた虫に花粉を運んでもらい受粉を行うためである。(このような花を虫媒花(ちゅうばいか)という。)

この実験で虫たちが紫外線を見て生活をしていることが分かる。

■虫は本当に紫外線が見えているのか?

蜜を吸う以外にも紫外線を利用しているのがモンシロチョウ!モンシロチョウのオスとメスは羽の組織が異なるため、紫外線フィルターで見ると、オスは黒く、メスは白く見える。

これはオスの羽の組織が紫外線を吸収し、逆にメスの羽の組織は紫外線を反射するから。

モンシロチョウはこの紫外線で見える色の違いで性別を見分け、子孫を残すため交尾の相手を探すといわれている。

カゴに入った500匹のモンシロチョウをキャベツ畑に放し、紫外線フィルターを使って観察すると、白い色のモンシロチョウ(メス)に黒いモンシロチョウ(オス)が群がってくる様子がよくわかる。

そこで、本当にモンシロチョウが紫外線だけで性別を見分けているのか実験!!

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<実験1>

紙で作ったニセモノの羽に、モンシロチョウのメスと同じように紫外線を反射する塗料(とりょう)を塗り、キャベツに固定する。

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<実験結果>

オスがニセモノの羽をメスと間違えて交尾行動を始めた!

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<実験2>

<実験1>だけではモンシロチョウは形や大きさで性別を見分けている可能性もある。そこで、ニセモノの羽の大きさを倍以上にして再実験。

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<実験結果>

自然界に存在しないほど大きな羽なのに、オスがニセモノと気付かず群がった!

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<実験3>

さらにモンシロチョウの羽とは全く違う形のニセモノの羽でも実験。

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<実験結果>

本物と全然違う形の羽にも関わらず、オスが群がってきた!

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<総合実験結果>

モンシロチョウは羽の大きさや形ではなく、紫外線で見える色だけで性別を見分けていた!


★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。