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2007年11月25日放送
携帯電話

多くの人が持っている「携帯電話」を科学!
過去の実験一覧はコチラ!!

■携帯電話は線がないのにどうしてつながる?

一般家庭にある電話は線がつながった「有線電話」。

ところが、携帯電話は線のつながっていない「無線電話」。

携帯電話は音声を電波の波に変える通信「無線通信」でつながる。

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■携帯電話と有線電話でおもしろ実験

<実験方法>

名古屋からおよそ1200km離れた南大東島に住んでいる奥山真奈美さんの前には、有線電話と携帯電話が置いてある。

この2種類の電話それぞれに、スタジオからスピードワゴンの2人が2台の有線電話を使って同時に電話をかけると、有線電話と携帯電話のどちらの方に早くつながるか調べる。

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<実験結果>

有線電話の方が先につながった!


<追加実験>

さらに、携帯電話と有線電話の両方で同時に話してみると・・・


<実験結果>

有線電話より携帯電話の方が少し声が遅れて聞こえる!


【解説】

携帯電話の声が遅れるのは距離には関係なく、携帯電話から出る電波は、「基地局(きちきょく)」と呼ばれるアンテナを中継して、他の電話につながる。

基地局には、それぞれ担当のエリアが決まっていて、電波をつなぐ携帯電話がまずどこのエリアにいるか探す必要がある。

さらに、音声などの情報を基地局を経由するなど手順が多いため、有線電話と比べると遅れがでてしまう。

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■携帯電話の電波の性質を調べよう

<実験方法>

向かい合わせに置いた2つの中華ナベの中に、それぞれ携帯電話とスイッチを入れて、どの局にもチューニングが合っていない状態のラジオをセットする。

この実験は中華ナベが、携帯電話から出る電波を一方向に集中させて飛ばすことができ、もう一方の中華ナベにセットされたラジオが飛んできた電波に反応するということを確かめるもの。

中華ナベにセットされた携帯電話へ別の携帯電話で電話してみると・・・

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<実験結果>

中華ナベにセットされた携帯電話が着信音を出す前にラジオが反応してジ〜っという音が出た!


【解説】

基地局から「○○さん、受信したら返事して下さい」と電波で呼びかけられると、携帯電話はまず「○○は、受信しました!」と受信確認の電波を出す。

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その時、携帯電話が「受信しました!」という電波を出したのを、ラジオがキャッチしてジ〜っという音を出した。


<追加実験>

中華ナベにセットされている受信中の携帯電話とラジオの間に木の板・透明なプラスチック板・黒いプラスチック板・銅の板をそれぞれ入れる。

この時のラジオの音の変化を聞いて、どの素材の板が電波を通すかどうかを調べる。

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<実験結果>
〔木の板〕

ラジオの音に変化なし。

したがって、木の板は電波を通す。


〔透明なプラスチック板〕

ラジオの音に変化なし。

したがって、透明なプラスチック板は電波を通す。


〔黒いプラスチック〕

ラジオの音に変化なし。

したがって、黒いプラスチックの板は電波を通す。


〔銅の板〕

ラジオから出ていた音が聞こえなくなった!

したがって、銅の板に電波がさえぎられた!


【解説】

携帯電話の電波を通すか通さないかのポイントは、素材の板が電気を通すか通さないか。

電気を通さない木やプラスチックの板では、電波は通りぬける。

電気を通す銅の板は電波を反射してしまう。

■水の中で携帯電話は通じる?

<実験 1>

携帯電話を防水パックの中に入れ、別の携帯電話から電話をかけ、通話中の状態にする。

この状態で、深さ30cmの水槽の中に携帯電話を入れ、水中でも電波が届くのか調べる。

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<実験結果>

水中でも通話状態が続いた!

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<実験 2>

先程の実験と同じ状態の携帯電話を巻尺に吊るして、深さ1.2mのプールへ少しずつ沈める。

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<実験結果>

途中で通話が切れた!

同じ実験をくり返し、携帯電話に電波が届かなくなった水深の平均をとってみると・・・

結果は54cm!!

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【解説】

携帯電話の電波は水の中を通ると、次第に弱くなっていき、最後には交信できなくなってしまう。

ちなみに、水中で交信できるのは「音波」。

イルカなどは「※超音波」を使い、エサを探したり、仲間と連絡をとりあっている。

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※超音波・・・人の耳には聞こえない非常に高い音。

■電波の性質をおもしろ実験で解明

<準備するモノ>
  • コップ
  • ロウソク
<実験方法>

水の入ったコップの中にロウソクを固定し、火を付ける。

そのコップに向け、音程を変えながら声を出すと・・・

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<実験結果>

声がある高さになった所で火が消えた!


【解説】

特定の高さで声を出すと、振動する声のエネルギーがコップに伝わり、中の空気が大きく震える。

するとロウソクの火はコップ内の空気の振動によって消える。

この現象を「共鳴(きょうめい)」という。

ちなみに、コップの中に水を入れたのは空気の量を調節して、反応する声の高さを変えるため。

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★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。