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2008年3月16日放送
二酸化炭素(にさんかたんそ)

今回のテーマは「二酸化炭素(にさんかたんそ)」
環境問題などで話題の気体「二酸化炭素」を探る!
過去の実験一覧はコチラ!!

■でんじろう先生の科学マジック 液体が大噴火(だいふんか)!?

<マジック内容>

フラスコに入った白い粉の中にでんじろう先生が液体を入れ、栓(せん)をすると・・・

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液体が栓を吹き飛ばし、噴火した!!

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【解説】

フラスコの中に入っていた白い粉は、重曹(じゅうそう)とクエン酸(さん)を混ぜたモノ。

そして、この中に入れた液体は洗剤(せんざい)と色を付けたお湯を混ぜたモノ。

これらを同じフラスコの中へ入れることで、フラスコの中で反応し、二酸化炭素が大量(たいりょう)に発生(はっせい)した。

そのため、二酸化炭素がフラスコの中におさまりきらなくなり噴火した。

■二酸化炭素と炭酸ジュース

みんながよく飲む炭酸ジュース。

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実は炭酸ジュースの中には二酸化炭素が入っていた!

炭酸ジュースを飲んだ時のシュワ〜する感覚(かんかく)、これのもとになっているのが二酸化炭素。

二酸化炭素は水に溶けやすい性質を持ち、水に溶けると弱い酸を作る。これが炭酸。

では、コーラの中に溶けている二酸化炭素をこんな実験で取り出してみよう!

<準備するモノ>
  • コーラ(500ミリリットルのペットボトル)
  • ビニール袋
  • テープ
<実験方法>

新品(しんぴん)のコーラの口に出来るだけ空気を抜いたビニール袋を取り付ける。

さらに、テープを巻いて外から空気が入らないようにする。

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準備が出来たらコーラのキャップを少し開け、ペットボトルを振ると・・・


ビニール袋がふくらみだした!!

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【解説】

ビニール袋がふくらんだのは、コーラの中に溶けていた二酸化炭素が気体となって出てきたため。

ちなみに、500ミリリットルのコーラ1本には、約1リットルもの二酸化炭素が溶けている。

次は炭酸水(二酸化炭素が溶けた水)を作ってみよう!

<準備するモノ>
  • 水が入ったペットボトル
  • ビニール袋(カサ袋)
  • ストロー
  • 二酸化炭素(ドライアイスから作れる)
<実験方法>
  • ビニール袋の中でドライアイスを溶かす。
  • すると、ビニール袋の中に二酸化炭素が入った状態になる。
  • このビニール袋の口にストローを取り付け、水が入ったペットボトルの中に二酸化炭素を送る。
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    そして、ペットボトルの口を閉め、振ると・・・

    ペットボトルがへこんだ!

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    さらに、ペットボトルの中の水を飲んでみると・・・

    少しシュワっとした!!

    【解説】

    ペットボトルがへこんだのは、ペットボトルの中に入っていた二酸化炭素が水に溶けたため。

    つまり、ペットボトルの中にあった二酸化炭素がなくなり、中に何も無い部分ができたため、その分ペットボトルがへこんだ。

    さらに、二酸化炭素が溶けた水は炭酸水(たんさんすい)になるため、飲むとシュワっとした。

    ■二酸化炭素と温泉

    二酸化炭素と関係がある温泉を発見!

    その正体は二酸化炭素が入った茶色い温泉「炭酸泉(サイダー湯)」。

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    炭酸泉とは地面の中の炭酸ガス(二酸化炭素)が圧力(あつりょく)によって溶けこんだ温泉。

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    その効能(こうのう)は入浴後も体がなかなか冷えないと言われている。

    その効果(こうか)を調べるために、こんな実験!

    <実験方法>

    2人の人間が普通のお湯(約40度)と炭酸泉(約40度)にそれぞれ15分間入り、出て1時間後の体温をサーモグラフィーカメラで見比べると・・・

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    普通のお湯に入った人に比べて炭酸泉に入った人の方が体温が高かった!!

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    ※サーモグラフィーカメラの表示で、赤が約35度、白は約37度以上。

    【解説】

    炭酸泉に入ると、温泉の中の二酸化炭素が体の表面から吸収(きゅうしゅう)され、血液の中に溶け込む。

    すると、脳(のう)が体の中の酸素が足りなくなったと判断(はんだん)し、血管(けっかん)を広げ、酸素(さんそ)を取り込もうとする。

    その結果、血の流れが良くなり、体が温まった状態を長く保ってくれる。

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    ■二酸化炭素の不思議な性質

    <実験内容>

    巨大な青い風船と赤い風船をそれぞれ同時に落とすと・・・

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    赤い風船の方が先に落ちた!!

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    【解説】

    青い風船の中に入っていたのは普通の空気。

    それに比べ赤い風船に入っていたのは二酸化炭素。

    二酸化炭素は普通の空気に比べて1.6倍重いため、普通の空気より先に落ちた。

    ■二酸化炭素は地球の敵!?

    今、世界は「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」という問題に悩まされている。

    この問題にも二酸化炭素が関係している。

    二酸化炭素には熱を吸収する性質があり、地球を包む大気の中で程よい温度を保つ役割(やくわり)をしている。

    これにより、地球上の生物が生きていくための環境(かんきょう)を作っている。

    この現象(げんしょう)を「温室効果(おんしつこうか)」と言う。

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    しかし、最近は森林(しんりん)が減ったり、車などの排気(はいき)ガスによって、二酸化炭素の量が増えている。

    そもそも二酸化炭素は空気中に0.03パーセント(酸素は約20パーセント)しかないため、少し増えただけでもバランスが崩れてしまう

    地球から出た熱を吸収している二酸化炭素の量が増えると、地球全体の温度が上がる。

    その結果、様々な環境問題が起こる。


    ★番組からのお願い★

    「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

    その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

    また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。