今シーズン1番打者として活躍を続ける井端弘和。彼が野球を本格的に始めることとなったのは、堀越高校時代の恩師桑原秀範監督との出会いである。
そのことに関しては先週このページで紹介した通りである。しかし、井端がプロで通用するバッターになったのは、あの職人技ともいえる右打ちがあったからである。
実は、その右打ちの基礎を作りあげたのも恩師桑原監督であった。桑原監督の口癖は「野球は簡単には打てるものではない。打てない中でどう試合に勝っていくか、それを考えた時、9人が線となってつないでいくしかない」
こう語る桑原は選手たちに徹底した右打ちをさせた。とにかく、バッティング練習は反対方向に打つ練習しかさせなかった。そこに井端の右打ちの原点がある。
この考え方を徹底的に叩きこまれた井端は高校時代、練習が終わってもひとりグランドに残りバットを振り続けた。その彼の手から大きなマメが消えることはなかったという。
この桑原監督の指導方法に井端は『野球に関する考え方を教えられた。下手は下手なりに練習するしかないことを』と語り、今でも本当に感謝していた。
その桑原監督の右打ちの練習方法を特別に教えてもらった。まずは、右の写真のようなバットの先を削った特別なバットを使用する。これは、バットの芯を確実にとらえる事を身につけさせるためである。 |