いよいよ明日、待ちに待った今年のペナントレースが幕を開ける。 注目は何と言
っても川上・上原の
《エース対決》である。私にとっては二人共、ルーキーの年に投手コー
チとして指導した『教え子』であり、新人王に輝いた彼らが晴れの舞台で開幕投
手として激突することに感慨を覚えずにはいられない。
さて、気になる二人の仕上がり具合だが、まず川上については申し分ない出来と
いえる。早くから開幕投手に指名されていたこともあって、キャンプから開幕ま
で逆算でうまくペースを作ってきた。先週土曜日にはファイターズとのオープン
戦に登板。今回の舞台となる東京ドームのマ
ウンドも踏み、中5日で開幕戦に登板と、まさに万全の状態に仕上げてきた。
前回も書いたが、東京ドームは川上にとってノーヒットノーランを達成したゲン
のいいグラウンドである。あのゲームで大いに自信をつけた川上にとっては、願
ってもない決戦の場だ。しかも相手は、宿敵・ジャイアンツ。敵が強ければ強い
ほど燃える男だけに迫真のピッチングを見せ
てくれることだろう。
一方、オープン戦の出来が今ひとつだった上原だが、今週日曜日のホークス戦で
は、ストレートとフォーク主体の去年と同じピッチングに戻し、しっかり三振を
奪っていた。
川上から教わった新球・カットボールのマスターを試みたことが調子を崩した一
因であるが、それはあくまでテストと割り切り、開幕前に元のスタイルに戻して
それなりのピッチングを見せたのは、まさにエースの余裕といえよう。コントロ
ールなど細かい部分にまだ難はあったが、上
原のこと、開幕までにきっちり調整してくるだろう。こちらも心配はなさそうだ
。
勝敗を分けるカギは相手より先に点を取られないことだが、お互い27歳、良きラ
イバルとして意識し合う二人だけに、一歩も引かない素晴らしい投げ合いを見せ
てくれるだろう。名勝負を期待したい。
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