2010年7月22日放送「命を吹きこめ!耕作放棄地活用術」


過疎化や高齢化で増加傾向の耕作放棄地



賃貸マンション検索のように
細かくデータが記された耕作放棄地を
利用した市民農園検索サイト

豊田市の菜の花プロジェクトは
全国でも有数の実績を上げている

再開墾の苦労を乗り越え現在では
5県下10か所320ヘクタールの
直営農場を運営する食品会社も



自然の恵みを受けて立派に育った野菜。一見すると、どこにでもある普通の畑だが、実は、この野菜が実っているのは、1年前まで雑草の生い茂る耕作放棄だった場所だ。耕作放棄地とは、過去1年以上農作物が作られておらず、この先も耕される予定がない田畑のこと。過疎化や高齢化による人手不足が原因とみられ、年々増えているのが現状だ。放っておくと、雑草から病気や害虫が発生したり、不法投棄の場所となって景観悪化につながるなど、多くの問題を抱えている。

2005年、農地法が改正され一般企業やNPOなどの農地利用の条件が緩和されて以来、そんな耕作放棄地を有効活用しようという動きが各地で加速している。去年の秋に事業を立ち上げた愛知県半田市の会社では、地主と交渉して耕作放棄地を管理。荒れた田畑を自ら耕し、一般の利用者に低料金で市民農園として貸し出している。元耕作放棄地とはいえ、再開墾されきちんと管理された畑の収穫は上々。利用者はもちろん、体調の問題でやむなく耕作放棄地としていた地主にも歓迎されている。

このような耕作放棄地を活用した市民農園は増えつつあり、専門の検索サイトも登場。中には、全国各地の耕作放棄地を農園化し利用者を募集しているものもあり、交通の便や畑の状況などが、まるで賃貸マンションの紹介のように細かく記され、自分にあった農園を探すことができるようになっている。

耕作放棄地の有効利用として、既におなじみなのが「菜の花プロジェクト」だ。耕作放棄地などの遊休農地に菜の花を植えて菜種油をつくる全国規模のこの活動、愛知県豊田市では、地元の肥料会社が地元企業や農家に声を掛け、「豊田・加茂 菜の花プロジェクト」を運営、全国トップレベルの実績をあげており、5年前には、菜種油の商品化にも成功している。また菜の花プロジェクトの畑では、連作障害を避けるため、裏作でヒマワリの種をまいており、この時期は畑一面のヒマワリが楽しめることもある。

工場の中の大きな機械でカットされているのは、刺し身などに添えられている大根のツマ。野菜の加工商品を製造している会社では、こうしたツマやサラダに使う野菜など90%以上を、耕作放棄地を整備した畑で自社栽培している。元々はこの会社も、原材料となる野菜は他社から買い付け、加工だけを行っていたが、商品の安定供給を目指して自社栽培に切り替えたのだ。荒れ果てた広大な耕作放棄地を再開墾するのは大変な作業。林のようになってしまった畑に重機を入れるなど苦労も多かったというが、自社栽培が可能になった事で、原料から商品まで自社で一括して管理ができ、トレーサビリティーの問題も解決。より安心・安全な商品を提供する事が出来るようになったという。こうした野菜を育てるのももちろん社員の仕事。収穫がピークになると、営業マンから社長まで全社員が畑に繰り出す。入社して初めて参加する時は、皆その規模に驚くという。今では耕作放棄地で得た自給のノウハウで、葉物野菜の水耕栽培にも乗り出している。

こうした耕作放棄地の活用法の広がりが、私たちの食の豊かさ、ひいては食料自給率向上の鍵をも握っているのかもしれない。

■たいようの広場 (グリーンエイチ)※耕作放棄地を整備し市民農園として貸出し
URL)
http://taiyo−h.jp/index.html
住所)
愛知県半田市瑞穂町9−7−25
tel)
0569−58−0375

■タガヤシ (株式会社マイファーム)※市民農園のウェブサイト
URL)
http://www.tagayashi.jp/
住所)
京都市下京区五条通室町西入ル東錺屋町189 クマガイ五条ビル3F−301
tel)
0120−831−292 (応対時間8:30〜19:00)

■有限会社花丘商事 菜の花プロジェクト
住所)
愛知県豊田市花丘町1−17
tel)
0565−31−0276

※NPO法人豊田・加茂 菜の花プロジェクト
tel)
0565−41−4837

■わかば農園株式会社 ※耕作放棄地を利用し自社製品の原料野菜を自給
住所)
岐阜市細畑2−4−18
tel)
058−247−9590

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