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人口6700万人の活気溢れる新興国・タイ。平日にも多くの若者が集まる首都・バンコクのサイアムスクエアは、「バンコクの原宿」と呼ばれている。 ファッションのお手本は日本。年々おしゃれになってくるタイの女性を取り込もうと動き出したのが、名古屋の企業、2003年にタイに進出したヘアカラーメーカーのホーユーだ。日本での需要が縮小する中、去年の9月に新工場をオープン。生産能力をこれまでの3倍にし、この市場に力を入れている。 これまであまり髪を染める習慣のなかったタイの女性だが、次々にタイ語版が創刊される日本のファッション誌の影響もあり、日本のモデルと同じように、髪を明るくしたいとか、色を入れたいといったニーズが急増。大きな市場になってきている。 狙っているのは、タイだけではない。大きな経済成長を見せる東南アジア諸国は、いずれも日本人と同様、黒い髪の人々が多く暮らしている。タイを拠点に、日本で培った黒い髪をキレイに染める技術を活かし、ベトナムやフィリピンなどその黒髪市場に輸出も行っているのだ。そのため、ここでは販売する国の志向にあわせ、同じ製品でも様々なパッケージを用意。伸びゆくアジアの黒髪市場は、メーカーにとって大きな期待となっている。 一方、ジャングルの中に忽然と現れたのは、火力発電所。マレーシアのボルネオ島にあるこの施設、実は中部電力の出資で建てられたものだ。 名古屋の電力会社が、なぜこんなところに発電所を建てたのか?環境技術が普及し、省エネ志向の強い日本の市場。公共サービスを提供する会社として、管轄エリアの制約や人口の減少傾向など、国内では工場や家庭の電気需要の伸びが将来期待できないこともあり、会社の成長のため海外での新しい可能性を探っているのだ。 しかしこの施設、ただの発電所ではない。通常火力発電では石油や天然ガスが燃料となるが、ここでの燃料はパーム油を搾り取った後のパームやしの搾りかす。パーム油とはスナック菓子や洗剤、化粧品などに使われる日本でもお馴染みの植物油だ。実は、マレーシアは世界シェアの4割を占めるパーム油の一大産出国。製油工場で果実から油を搾り取った後、大量に搾りかすが排出される。この搾りかす、放置しておくと自然に発酵し、二酸化炭素の21倍もの温室効果をもたらすメタンガスを大量に発生させてしまう厄介者。そこでこの発電所では、メタンガスが出る前の搾りかすを燃やして、電気にしてしまおうというのだ。 経済が成長するにつれ、安定した電力が必要となっているボルネオ島。環境を考えての発電はまさに一石二鳥のアイデアだ。 その国の事情に合わせた戦略で、東南アジアに進出する名古屋の企業たち。こうした動きはますます加速しそうだ。
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