金融機関から5600万円をだまし取ったとして逮捕されたバイク販売会社の社長の男。逮捕のきっかけとなったのは「バイクが納車されない」という全国から寄せられていた相談でした。
愛知県警港署から検察に身柄を送られた男、バイクの修理・販売を行う「アサダモーターサイクル」の社長・朝田理容疑者(37)です。
警察によりますと、朝田容疑者は、今年1月から2月にかけて約2500万円分の税金の滞納があったにも関わらず、うそを言うなどして、金融機関から5600万円の融資を受け、だましとった疑いがもたれています。警察は朝田容疑者の認否を明らかにしていません。
アサダモーターサイクルは自転車操業の状態で、朝田容疑者はだまし取った現金のほとんどを他の金融機関への返済や社員の給料の支払いにあてていたとみられることが警察への取材でわかりました。
今年5月以降、「契約したバイクが納車されない」という相談が全国から相次いだことを受け、警察が捜査を開始。今回の容疑が浮上しました。
トラブルを訴える青木さん:
「ぶっちゃけ、悔しいというより、どうしようですよね、本当に」
こう話すのは、愛知県江南市に住む青木宏紀さん。
「アサダモーターサイクル」の店の様子や接客態度、モーターショーにも出展していたことから、去年5月、バイク2台の購入を決め、契約しました。
トラブルを訴える青木さん:
「(2台合わせて)960万円です」
お支払い済み?
「済みです。売買契約書にも記載されている。融資を受けて、450万円振り込みと別で2~3回ぐらいに分けて払いました」
しかし、今年3月だった当初の納車予定は今年の年末に…。
トラブルを訴える青木さん:
「本当のことを知りたい。何でこうなった、何でこんなことをしたのかを聞きたい。トラブルを訴える」
同様のトラブルを訴えるのは、愛知県内で約30人、そして全国では90人ほど。その総額は、2億9000万円にのぼるとみられています。
警察は今後、納車トラブルについても調べを進めていく方針です。