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2007年02月18日放送
「アルミニウム」

今回のテーマは「アルミニウム」!
1円玉にも使われる、とっても身近な金属「アルミニウム」に迫る!
過去の実験一覧はコチラ!!

■「アルミニウム」が出来るまで

「アルミニウム」がどうやって出来ているか調べるために、
日本で唯一、原料から「アルミニウム」を製造している
「日本軽金属清水工場」を調査しました!

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  1. アルミの原料となるのは「ボーキサイト」。
    日本ではほとんど採れないため、オーストラリアや東南アジアから輸入している。
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  2. 「ボーキサイト」を「苛性(かせい)ソーダ」という液体に
    混ぜ、加熱していく。
  3. 加熱した液体から機械で不純物を取り除き、その液体を冷やすと、
    白い物体が表面に浮き出てくる。
    これを乾かすと「水酸化アルミニウム」が出来る。
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  4. 乾燥させて出来た「水酸化アルミニウム」を約1500度で
    焼き上げると「酸化アルミニウム(アルミナ)」が出来る。
    この状態で「日本軽金属蒲原(かんばら)製造所」へ運ばれる。
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  5. 「日本軽金属蒲原製造所」に運ばれた「酸化アルミニウム(アルミナ)」を、
    機械の中に入れ電気分解する。
    この機械で、5万5000アンペアもの電流を通すことによって
    「酸化アルミニウム」が電気分解され、「アルミニウム」が出来る。
    ちなみに、この機械に時計を近づけると・・・
    秒針が止まってしまった!
    これは電流により発生した強力な磁場の影響によるもの。
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  6. 出来上がった「アルミニウム」を熱し、液状にして型に流し込む。
    あとは冷やして固めれば銀色に輝く「アルミニウム」の完成!
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■「アルミ箔」の不思議?
ツヤのある面とツヤのない面があるのはナゼ?

アルミ箔にツヤのある面とツヤのない面があるのを知ってますか?
その謎を解明するため、アルミ箔の製造工場に潜入してきました!

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  1. アルミの塊を、ある程度の薄さまで延ばし、ロール状に巻き取っていく。
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  2. ロール状のアルミを機械で上下から圧力をかけ、さらに薄くする。
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  3. より薄くするために薄くなったアルミを2枚重ねにし、もう一度機械で圧力をかける。
    この時、硬いローラーに接して圧力が掛かっている面は、
    均等に圧力が掛かり、ツヤが出る。
    アルミ同士でくっついている面は、アルミが柔らかいので均等に圧力が掛からず、
    小さな凹凸が出来てしまい、あまりツヤが出ない。
    「アルミ箔」の両面に材質的な違いはない。
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■「アルミニウム」は電気の缶詰

※アルミは電気分解によって作られるため、電気が溜まっている。
その電気を取り出してみよう!

<準備するモノ>
  • 食塩水
  • アルミ缶
  • 紙やすり
  • キッチンペーパー
  • 備長炭(もしくは高い温度で焼いた炭)
  • 活性炭
  • モーター
  • モーターに付けるプロペラ
  • リード線×2
<実験方法>
  1. アルミ缶上部を切り、内側を紙やすりでみがく。
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  2. キッチンペーパーをアルミ缶の内側へ入れ、
    食塩水を染み込ませる。
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  3. アルミ缶の中に活性炭と備長炭を入れ、
    さらに、備長炭の周りに活性炭をつめる。
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  4. キッチンペーパーに湿り気が足りないようであれば、
    食塩水をもう一度、染み込ませる。
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  5. アルミ缶と備長炭にリード線を取り付け、
    プロペラを付けたモーターとつなげる。
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<実験結果>

モーターが動いて、プロペラが回った!

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【解説】

アルミは食塩水に溶けることによって、電気(−、マイナス)が発生する。
その電気がモーターに伝わり、さらに備長炭が(+、プラス)の電極を帯びるため
プロペラが回った。

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■アルミがよく使われる理由・1「アルミは軽い?」

同じ大きさの鉄の棒とアルミの棒の重さを比べてみると、
鉄の棒が30gに対してアルミの棒は、たった10gだった!
アルミは鉄と同じ大きさだと、重さは鉄の約1/3ということが分かる。

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<実験・1>

上記の実験で使った鉄の棒とアルミの棒をそれぞれ手で曲げる。

<実験結果>

鉄の棒は力を入れないと曲がらないのに対し、
アルミの棒は簡単に曲がった!

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<実験・2>

上記の実験で使った鉄の棒と、今度は同じ重さのアルミの棒を手で曲げてみる。

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<実験結果>

アルミの棒を曲げるのに鉄の棒より力が必要だった!

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【解説】

アルミは鉄と同じ大きさで作ると鉄より強度は弱いが、
鉄と同じ重さで作ると、鉄よりも丈夫になる。
車のホイールなどに鉄よりアルミが使われてるのはそのため。

■アルミがよく使われる理由・2「アルミはサビにくい?」

実はアルミはとてもサビ(酸化)やすく、空気に触れた瞬間に酸素と結合して
「酸化皮膜」という膜を表面に作る。
すると、この膜が空気とアルミ本体を遮断し、
それ以上のサビ(酸化)を防ぐのである。
結果として、アルミはサビにくくなっている。

■アルミと鉄サビで面白実験

<実験方法>

アルミの粉と酸化鉄(鉄サビ)を混ぜたモノを
加熱すると、激しく燃え上がる。

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【解説】

アルミと酸化鉄を混ぜて加熱すると、
アルミの方が酸素と結合しやすいため、酸化鉄の酸素をうばう。
この時、高熱が発生して、激しく燃える。
(酸化鉄は酸素を奪われて、鉄に戻る。
この高熱を利用し、鉄の溶接にも用いられた。)
これを「テルミット反応」という。


(注意)
この実験は大変危険なため、子供だけでは絶対にやらないで下さい!
実験をする場合は、火事や火傷に十分に注意し、
監督の出来る大人と一緒に行なって下さい!

■ビックリ!アルミからルビーを作る!

身近な金属「アルミ」を使って、ルビーを作り出すことが出来る!
その仕組みは「酸化アルミニウム」と※「酸化クロム」の混合物を
原料とし、ハロゲンランプという電球を使って約2000度で熱するというもの。
後は、約1時間かけて原料を溶かし、冷やして結晶化させればルビーの完成!

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※「酸化クロム」はルビーの色の素となる。
「酸化クロムの変わりに「鉄」を混ぜると青色となり、
サファイアと呼ばれる宝石になる。
(ルビーとサファイアは色(含有物)が違うだけで、構造・主成分は同じもの)


★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。