■レーザー光線ってどんな光?
○太陽や電球の光とレーザーの光の違い
レーザーと電球の光をグレーチングシート(分光シート)に当てると


電球などの普通の光は様々な色に分かれるが、レーザーは1色の光しか出ない。 つまり普通の光は多くの色の成分が集まってできているのに対し、レーザーの光は単色光である。
○レーザー光と普通の光を音に例えてみると・・・
(実験)
合唱団の人達に協力してもらい・・・

1・耳をふさいで周囲の音が聞こえない状態と

2・耳をふさがず普通に周囲と音程が合わせられる状態で

それぞれ声を出してもらった。
(結果)
1の場合、音程はバラバラで音(声)は聞こえるが、ざわざわとして、まとまりが無かった。

2では声が一つに揃い、はっきりと大きく聞こえた上に、実際に音量も大きくなった!

《解説》
この実験では、1が太陽や電球などから出る普通の光を2がレーザー光を模擬的に表している。
1では周りの音が聞こえない為、音程も長さも全員バラバラな音を出している。
これと同じように電球などの普通の光ではさまざまな色の光の成分が集まって出来ている為、波長が揃わずに分散され、遠くまで届きにくい。
これに対して2の場合は、お互いの声が聞こえ、調子を合わせることで音程がそろい、大きな(遠くまで聞こえる)音になっている。
同様に、レーザー光も一つの波長にきれいに揃った光で、普通の光に比べ、強く遠くまで聞こえる。
※レーザーを作る仕組み
レーザーは光を出す原子と2枚の鏡によって作られる。
原子に刺激を与えると光を出し、その光が他の原子にぶつかると今度はそれが刺激となり、全く同じ波の光を出す。
こうした現象が鏡の反射を利用して、何度も繰り返され、同じ波の光がドンドン増えて、エネルギーを増し、レーザーとなる。

■レーザーカッターは何でも切れる?
電球や太陽の光は、さまざまな色の成分が混ざっている為、レンズを通して光を集めた場合、
それぞれの波長の光の屈折が少しずつずれて、焦点を小さくしぼりきる事が出来ない。
レーザーの光の場合、1色しかない為、焦点をごく小さくしぼることが出来る。
(それを利用してCDプレーヤーの読み取りとしても使われている。)

また、焦点をしぼることで、通常の光よりも極めて強いエネルギーが得られる。 それを利用したのがレーザーカッター!

レーザー光を一点に集める事でエネルギーを発揮しモノを切るレーザーカッター。 とは言え、レーザーといえども所詮は光!では光を反射する鏡は切る事ができる?

レーザーの加工を専門に行っている会社に協力をお願いし、鏡が切れるのかを実験。
実際に工場で使われているレーザーカッターがこちら!

カッターに鏡をセットし実験スタート!


しかし、キズはついているように見えるが、切る事は出来なかった・・・
良く見ると、鏡の裏に張ってある銀が反応しただけの様子、

どうやら、切れなかった理由はレーザー光を反射したからでは無く、 レーザーが鏡のガラス部分を通り抜けてしまったためらしい。

ならば!!次はさらに強力なレーザーカッターを使って実験!


先程と同じように鏡をセットしスタート!


鏡が切れた!


ガラスに反応しやすいレーザーを使うことで、鏡のガラスと銀の両方ともレーザーの熱で溶かす事が出来たのだ!

ガラスに吸収されやすい波長のレーザー光を当てれば鏡でも切る事ができる

ガラスの中に描く!最先端レーザーカッター
■最先端レーザー技術でこんなモノが!

クリスタルガラスに、動物が描かれているがこれを回転してみると

なんと立体的に描かれている!
こんなすごいモノを作れるのがこの機械

レンズを通したレーザーの焦点をガラスの中に合わせることで小さな一点だけを溶かし、 その焦点を少しづつ動かすことで点をつないで、ガラスの中に立体的なヒョウを描いていた。


他にもこんなモノが作れる




■家でもできる簡単!レーザーショー
〈実験道具〉
- 鏡 2枚
- 電池パック 2個
- 電池 2本
- モーター 2個
- レーザーポインタ 1本
- ピンセット 1本
〈作り方〉
モーターの回転部分に接着剤やテープなどでわずかに角度をつけて、鏡を取り付ける。 下の図のように鏡とレーザーポインタを配置すると・・・

レーザーの光が回転した鏡の反射によって、様々な形をつくる。
※ピンセットなどでモーターの回転部を押さえ速度を変えると色々な光のパターンの変化が見られます。色々工夫してやってみよう!





★番組からのお願い★
「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。