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2007年05月27日放送
「科学で魔球に挑戦!」

今回のテーマは「科学で魔球に挑戦!」
過去の実験一覧はコチラ!!

■でんじろう式科学魔球

でんじろう先生が編み出した科学魔球に小沢さんが挑戦!すると・・・

小沢さんが打ったボールが粉々に砕けてしまった!

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【解説】

でんじろう先生が投げたボールは※液体窒素でゴムボールを凍らせたもの。

凍ったボールは完全に弾力を失い陶器(とうき)のようになるので、
バットに当たった衝撃で粉々になった。

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※液体窒素・・・常温では気体の窒素を、融点の-196度まで冷やして液化させたもの。

■科学の力で剛速球を投げる

<実験内容>

スピードワゴンの2人が投げたボールの速度と、ラクロスの選手がラケットで投げたボールの速度を比較。

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<実験結果>

井戸田・・・・・・・80km

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小沢・・・・・・・・52km

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ラクロスの選手・・・113km!

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【解説】

ラクロスの選手の球速が速かったのは、
腕よりラクロスのラケットの方がリーチが長いため。

ボールを投げる時、リーチが長いと
ボールを離すまでの距離(加速される距離)も長くなる。

その結果、ボールはより加速されるので速い球になる。

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■科学の力で200キロの剛速球に挑戦!

ラブラボ!が※アーム式ピッチングマシンを使って、
ギネス・ワールド・レコードで登録されている
162,4キロを越える200キロの剛速球に挑戦!

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※アーム式ピッチングマシン・・・バネの反発力を使ってアームを振り下ろし、ボールにスピードを加えるピッチングマシン。

☆通常の状態で投げた時の最高球速・・・139km

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<ステップ1>

でんじろう式科学を応用し、
通常より2倍以上長い特製のアームに取りかえて実験。

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☆長いアームで投げた時の球速・・・129km

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アームが長くなった分重たくなって、振り下ろすスピードが遅くなったため、
かえって球速が遅くなってしまった・・・

<ステップ2>

アームを振り下ろすスピードを上げるためにバネの数を増やして再度実験。

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☆長いアームでバネの数を増やした時の球速・・・196キロ!

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惜しくも200キロには到達することが出来なかったが、196キロもの球速が出た!

■変化球はなぜ曲がる?

<実験内容>

2つの風船を間隔(かんかく)を開けて吊るし、その間に息を吹きかける。

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<実験結果>

2つの風船が引き寄せられるようにくっついた!

【解説】

風船には、空気の圧力がかかってる。

2つの風船の間に息を吹きこむと、空気の流れができ、
その部分(風船と風船の間)の圧力が弱くなるため風船がくっつく。

ボールの場合は回転することで空気に圧力差が生まれ変化する。

例えば、ボールが図のように下方向に向かい、左回りに回転すると、
ボールの右側の空気は流れに逆らわないので、左側に比べ圧力が弱くなる。

その結果、ボールは右側に曲がっていく。

このように、空気の抵抗とボールの回転により
一定方向に力が生じる現象のことを「マグヌス効果」と言う。

さらに、野球の硬式ボールは変化球のボールの回転によって、
ぬい目にも空気の抵抗が加わるため、大きく変化する。

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■ストレートも変化球!?

ストレートはバックスピン(後方回転)させることで
地球の引力に逆らい真っ直ぐに進んでいく球。

つまり、ストレートは上向きに変化している球で、科学的には変化球と言える。


<実験(1)>

※マグヌスフライヤーをバックスピンさせて投げると、
浮き上がるように飛んで行く。

この現象から、ストレートは上向きに変化していることがわかる。


※マグヌスフライヤー・・・平らな板に円盤を取り付けたモノ。

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■フォークはストレート!?

フォークボールはボールがほとんど回転していない球。

空気の圧力差が生まれないので、球の軌道は放物線を描く。

つまり、フォークボールは下向きに変化しているのではなく、
普通に放物線運動をしているだけ。

<実験(2)>

マグヌスフライヤーを回転させないように投げると、
普通に放物線運動をして落ちていく。

■科学の力で変化球に挑戦!

高速走行中の車からボールを進行方向に向かって投げれば、
強い空気抵抗が生まれ、より鋭く変化する魔球になるのでは?

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<実験方法>

時速100kmで走るサイドカーから、
ピッチャーに※カーブを投げてもらい、ボールの軌道を確かめる。

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※カーブ・・・山なりの軌道で、右投手なら左下へ、左投手なら右下へ落ちる変化球。


<実験結果>
普通に投げたカーブ

球速:104km
カーブの軌道:山なり

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静止したサイドカーから投げたカーブ

球速:70km
カーブの軌道:山なり

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時速100kmで走るサイドカーから投げたカーブは、鋭く落ちるように変化。

計算上170km(サイドカーの速度100km+座って投げたカーブの速度70km)の
カーブを投げたことになるので、
強い空気抵抗を受けることで球が大きく鋭く変化した。

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■ラブラボ!謎解きメイキング 〜「マッチ」が出来るまで〜

<マッチの材料>

☆マッチの先端に付いている「頭薬(とうやく)」と呼ばれる燃える部分の主な材料

  • 硫黄(イオウ)
  • 松脂(マツヤニ)
  • ニカワ(材料をくっつける。)
  • ガラス粉(燃える速さを調節する)
  • 塩素酸カリウム(熱を加えると酸素を発生する)
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☆マッチに使われる軸木は、
加工しやすく燃えやすい「アスペン」という木(ヤナギ科)を
北ヨーロッパや中国などから輸入して使っている。

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<マッチが出来るまで>
  1. 機械で振動を与えて、軸木を規則正しく並べ、少しずつ下に送っていく。
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  2. 軸木と同じサイズの穴が無数に空いた金属の鉄板の上に、軸木を1本ずつはめ込んでいく。
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  3. 軸木の先端にパラフィン液を付ける。これは、炎が軸木に燃え移りやすくするため。
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  4. 軸木を機械で上下させて先端に、お湯で液状に溶かした頭薬をつける。
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  5. 軸木に付いた頭薬を40度〜60度の温度に保ち、およそ1時間かけて乾かす。
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  6. 頭薬が乾いたら、金属の板から軸が外され、マッチ棒の完成!
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<マッチにこめられた科学>

マッチに火が付くのは、
箱に付いている赤燐(せきりん)が摩擦(まさつ)によって発火し、
その火が頭薬に燃え移るためである。

ちなみに、箱が燃えないのは、
硫化アンチモンという成分が燃えるのを防いでいるから。

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<マッチの歴史>

昔のマッチは赤燐ではなく黄燐(おうりん)が使われていた。

黄燐は毒性が強く自然発火しやすいため、安全な赤燐が使われるようになった。


★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。