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2007年06月24日放送
「小麦粉」

今回のテーマは「小麦粉」
身近な「小麦粉」の性質をラブラボ!独自の面白実験で徹底解明!
過去の実験一覧はコチラ!!

■小麦粉の正体を調べてみよう

<小麦粉の正体>

小麦粉の原料は小麦(イネ科コムギ属の一年草植物)で初夏に収穫される。 収穫した小麦の種子を粉にしたモノが小麦粉になり、残った茎の部分が麦わら。 ちなみにストローの語源は麦わらである。 小麦粉には大きく分けて強力粉・中力粉・薄力粉の3種類がある。

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■生地のねばりを実験で証明

<用意するモノ>
  • 強力粉
  • 薄力粉
  • 水の入ったボール 2個
  • 厚めのビニール袋 2枚
  • はさみ
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<実験方法>
  1. 2枚のビニール袋の中に、同じ分量の強力粉と薄力粉をそれぞれ入れ、塩をひとつまみと、同じ分量の水を加える。
  2. ビニール袋の口を閉めて、10分間こね、15分間寝かせる。
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  3. 15分たったらビニール袋の端を少し切って、水の入ったボールへ小麦粉をしぼり出す。そして、小麦粉の生地を水でもみ洗いすると・・・
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<実験結果>

小麦粉の生地が白から黄色味がかかった色に変化した! さらに、強力粉で作ったモノの方が薄力粉で作ったモノより残る量が多い!

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【解説】

この残った物質は「グルテン」と言うタンパク質の一種で、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2種類の物質が、水でもまれることによって結びついて出来た。 これが小麦粉のねばり気のもとになる。 強力粉はグルテンを多く含んでいるので、ねばり気が強い。 逆に薄力粉はグルテンの量が少ないので、ねばり気が弱い。 ちなみに、グルテン自体はガムのような食感がある。

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■グルテンを使ったおいしいモノ

<準備するモノ>
  • グルテン(上記の実験で作ったモノ)
  • 熱湯
  • 黒蜜(くろみつ)
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<作り方>

グルテンを食べやすい大きさに丸め、熱湯でしばらくゆでる。 するとグルテンが浮いてくるので、器に移し、黒蜜(くろみつ)をかければ完成!

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【解説】

グルテン(タンパク質)は加熱すると性質が変わり、硬くなる。 グルテンをゆでたモノは「生麩(なまふ)」になる。 その他にもグルテンに小麦粉を加えて蒸しあげた「角麩(かくふ)」や、グルテンに小麦粉を加えて焼き上げた「焼き麩」などの加工品がある。

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■小麦粉の主成分は?

<実験内容>

グルテンを取り出した後に残った水溶液。 しばらくすると白い沈殿物(ちんでんぶつ)が現れる。 それをシャーレに取り出す。 水で薄めたヨウ素系のうがい薬をスポイトで取り、白い物質に垂らすと・・・

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<実験結果>

だんだん紫色に変化した!

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【解説】

白い物質は「でんぷん」で、うがい薬に含まれるヨウ素と反応して紫色に変化した。 でんぷんは小麦粉の主成分で、全体の約75%を占める。

■塩で変わる小麦粉の性質

<実験1>

塩入りのうどんと塩無しのうどんを食べ比べる。

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<実験結果>

塩入りうどん・・・普段食べているうどんと変わらないシコシコとコシのある食感。

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塩無しうどん・・・普段食べているうどんと比べると、硬く感じる。

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<実験2>

それぞれ棒状にした塩無し小麦粉の生地と塩入り小麦粉の生地の両端を持って引っ張り、その伸び具合を比較する。

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<実験結果>

塩無し生地・・・引っ張ると、ある程度の所まで伸びて切れる。

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塩入り生地・・・引っ張ると、切れずに長く伸びる。

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【解説】

塩は小麦粉のグルテンを引き締め、生地の弾力性を増加させ独特のコシを生む。 うどんの場合、塩を入れていない麺は茹でてもいつまでも芯が残った感じになり、柔らかい食感は生まれない。 それに対して、塩を加えた麺はグルテンの粘りがさらに増し、うどん独特のコシと粘り、シコシコとした食感が生まれる。

■小麦粉に砂糖を入れてきな粉モチを作ろう!

<準備するモノ>
  • 小麦粉100g
  • 砂糖40g
  • 水60g
  • 電子レンジ
  • きな粉
<作り方>
  1. 砂糖に水を加えて混ぜ合わせる。
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  2. 混ぜ合わせた砂糖水を電子レンジで1分半程温める。
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  3. 加熱させた砂糖水に小麦粉を加えて、素早く練り混ぜると生地になる。
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  4. この生地に砂糖を加えたきな粉をかければ「即席きな粉モチ」の出来上がり!
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【解説】

砂糖は水を抱え込む性質が高いため、グルテンの分の水分を砂糖が横取りしてしまうので、グルテンの働きが弱まり、生地が柔らかくなる。

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★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。