■炭ってどうやって作るの?
割り箸を燃やすと炭になる?
割り箸を燃やすと炭ではなく灰になってしまう。

木の主な成分は、炭素、ミネラル、酸素、水素の4つ。
木を燃やすと酸素と水素が結びつき水になって蒸発する。
炭素は空気中の酸素と結びついて二酸化炭素になるのでミネラルだけが残り炭ではなく、灰になる。
では炭にするにはどうすればよいのか・・・
<実験道具>
- ガラス管をつけたゴム栓
- 試験管スタンド
- 試験管
- 割り箸
- バーナー

【実験】
試験管に割り箸を入れ、ガラス管を付けたゴム栓でふたをする。
試験管をバーナーであぶる



<解説>
炭は熱分解によって、主に炭素だけが残ったもの。
ガラス管の役割は中に酸素が入っていかないようにし、蒸し焼きにするため。
蒸し焼きにする事によって木に含まれる酸素と水素が結びつき水になるが、炭素は空気中の酸素と結びつかず、その結果主に炭素だけが残り木炭となる。

■何でも炭に変えてしまう炭焼き名人

身近な南国のフルーツパイナップルが・・・

何と炭に変身!

今が旬のカボチャも・・・

黒い炭になった!
そんなユニークな炭を作っているのが神田竹炭工房今回特別にミカンを炭にする様子を見せてもらうと同時に中身まで炭になるかどうかを検証しました。


- ミカンの炭に使うのはなんと衣裳ケース!
これが炭にするために欠かせない道具!
- 用意したミカンを衣裳ケースの中に並べて、隅に四角い穴のあいたフタをかぶせる。
この穴はミカンから出る煙を排出させる為の穴。
ここから煙を出し、酸素に触れさせないようにする事で、きれいな炭ができる。
- 次に衣裳ケースを炭窯の中に入れる。
その周りに燃焼温度を上げる為、竹を並べていく。
- 最後に窯の入口をレンガでふさぎ、
火を起こして1週間待つ。
1週間後ケースの中を開けてみると・・・

そのままの姿形で真っ黒な炭になり、皮の質感もそのまま!



さらに炭になったミカンを半分に切ってみると・・・

実の部分まで見事にそのまま炭になっていた!



■木炭パワーで走る車!?
木炭で走る自動車があると聞きつけラブラボ!スタッフが山口県へ向かった。


そこで見せてもらったのがかなりクラシックな青い車

この車はガソリンが不足した戦時中にガソリン走る車を改造して作られた物。
その証拠に車検証を見ると、燃料の項目に「木炭」と書いてある。
◆どうやって木炭車を走らせる?
まず木炭がよく燃えるように細かく砕きタンクに入れ、火をつける。



このときに出るガス(一酸化炭素)によってエンジンが動く。

これでエンジンをかけてみると・・・見事エンジンがかかった!

この木炭自動車は25kgの木炭で約200kmの走行が可能!



1kgで約8km走ることが出来る!
■石炭ってどうやって作られる?
石炭は今からおよそ3億5千万年前の石炭紀と呼ばれる時代、水辺で枯れた植物や流木が水の底にたまり、その上に徐々に土が積み重なり、地面の圧力や地熱によって、植物の中から、様々な成分が抜け、主に炭素だけが残った物が石炭になる。
◆石炭からどうやって電気が作られる!?
石炭はまず微分炭機と呼ばれる機械で小麦粉ほどの粉末にされる。


粉末にする事で効率よく高い温度で燃やす事が出来る。
粉末にされた石炭はボイラーという場所に運ばれ、1500℃の熱で燃やされていく。

そんなボイラーの中身をよく見ると、このようなパイプが設置されている。

このパイプの中には水が張り巡らされており、石炭を燃やした熱でパイプの中の水を高圧・高温の蒸気に変えていた。

ボイラーで作られた蒸気はタービンという電気を作る場所に運ばれていく。

この中では高圧・高温の蒸気によって、車輪のような発電タービンを高速で回転させ、電気エネルギーを作り出している。
その回転数は1分間で3600回転、100万キロワットの電力を起こす。
これは34万世帯の1日分に相当する。
■石炭は燃やされた後どうなる?
発電に使われる石炭は年間1000万トンにもなる。

しかしその1割、つまり100万トンは灰になってしまう。実はこの灰には凄いパワーがあるんです!
【実験】
オレンジジュースの中に石炭の灰を加工した粉末を入れ、5分程振りつづけると・・・



振る前の物に比べて透明になった!


《解説》
実験に使った粉には人工ゼオライトというものが入っていた。

この人工ゼオライドを拡大して見ると、スポンジのように無数の穴があいている。

この穴が、オレンジジュースの色素を吸着していた。
※この人工ゼオライトは、河川の浄化や土壌の改良に生かされている。
★番組からのお願い★
「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。