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2007年07月29日放送
「プラチナ」

今回のテーマは白金ともいわれる「プラチナ」
プラチナの驚くべき秘密に迫る!
過去の実験一覧はコチラ!!

■金・銀・プラチナの指輪一番熱に強いのは?

【実験】

金・銀・プラチナの指輪をそれぞれバーナーで熱していくと?

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<銀>
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実験開始から10秒ほどで銀の指輪が溶け始め、銀の塊になった。

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<金>
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金の指輪も炎を当てて10秒ほどで溶け始め、やがて丸い塊に!

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<プラチナ>
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実験開始から10秒たっても赤くなるだけで形は変化しない。

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そのまま炎を当て続けても、形はまったく変わらなかった!

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《なぜプラチナだけ溶けない??》

プラチナは銀・金に比べて融点(固体が液体になる温度)が高いため炎を当てても溶けなかった。(銀960℃・金1064℃に対しプラチナは約1770℃の高温にならないと溶けない。)

■プラチナを使って電球実験

【実験】

ペットボトルのビンにヘリウムガスを入れ、中の空気を追い出す。

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そこにプラチナ(白金線)を入れふたをし、電気をつなぐと中のプラチナが光った!

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しかもなかなか燃え尽きない!なぜ??

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【なぜ燃え尽きないの?】

白金線には9ボルトの電気が流れていて、とても高温になっている。

鉄の場合だと融点1500℃で時間が立つと溶けてしまうが、プラチナは融点が高いため溶けずに光り続ける。

プラチナとは他の金属に比べて高温に強かった!

■超高価!プラチナインゴット

《インゴットとは?》

金属を精製して一塊りとしたもの

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↑これがプラチナのインゴット!これだけのサイズでなんとおよそ5kgもある!

これは1リットルペットボトル5本分の重さに匹敵する!

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《なぜこんなに重いの?》

プラチナは他の金属に比べて比重(同じ体積の水を1として物質の重さを比べた数値)が高い。

例えば、水に入れると沈む鉛の比重は約11。プラチナは約22もある!

これはプラチナ1リットルの分量に対して水22リットルの量とほとんど同じ重さということ。

■プラチナはなぜ高価?

プラチナは同じく高価な金に比べても採れる量が少ないため金よりも高価になっている。

その量は金が年間約2500トンに対して、プラチナは225トン!およそ10分の1しか取れない。

そんな貴重なプラチナが日本でも採れる場所があるらしい


◆プラチナを求めて北海道へ

貴重なプラチナを求めてラブラボ!調査隊が向かった先はなんと北海道!

プラチナに詳しい弥永芳子先生の力を借りて夕張市のとある川へ・・・

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その川の名前は白金川!いかにもプラチナが取れそうな名前!

早速プラチナ採りスタート!

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プラチナを取るにはまずこのパンといわれる容器に川原の土や砂利を集める。

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容器がいっぱいになったら川の中で砂を洗っていく。水の中で容器をゆすり、石や余分な砂を落としていく。

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プラチナは比重が高く、同じ大きさの砂や石より重いため、底に沈んで容器の中に残る仕組み。

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スタッフもこの方法でプラチナ採りを行うが、なかなか取れない。

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川に入って2時間、ひたすら同じ作業を繰り返すスタッフ。

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そしてついにプラチナ発見!

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容器の中をよく見ると・・・キラッと光ったプラチナが!これが「砂白金」と呼ばれる物

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この後もプラチナ採りを行うが取れたのはわずか0.03グラムのみ・・・

しかし取れた砂白金は純粋なプラチナではなく、「白金族」というプラチナによく似た性質のものがあり、それが混ざっているということ。

■プラチナの意外な利用法

【実験】

セラミックスの繊維とプラチナを混ぜた物を一度温める。

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そこにガスバーナーのガスを当てると、繊維が燃えた!

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《融点が高いプラチナが何故燃える?》

実はプラチナは燃えておらず、プラチナの触媒作用を利用して低い温度でガスが燃えていただけ。

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1000℃度近い温度で燃えるガスでもプラチナを使えば300℃前後の温度でガスを燃やす事が出来る。


《触媒とは?》

特定の化学反応を促進する作用で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。

プラチナはその作用を持っている。

■プラチナの意外なパワー

このスポンジ状のシートを使って実験

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シートが入ったビンと入っていないビンに強烈なニオイがする酢酸スプレーを吹きかけ、5分程待ち、臭いを嗅いでみる。

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何も入っていないビンはツンとした臭いが残っているが、シートが入っているビンは何も入っていないビンに比べると臭わなかった。

【実験】

実はこのシートにはプラチナの粒子が混ざっていた。なぜ臭いが薄くなったかというと、プラチナの触媒作用によって、酢酸が分解された為、臭いが弱まったから。

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★番組からのお願い★

「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。

その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。

また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。