◆お父さん必見の科学マジック!
《用意するもの》
- ワインボトル
- 水(別の液体でも可能)
- ワインを保存する為の空気抜き
- 受け皿(タライなど)
【実験】
ワインボトルに水を入れ、空気抜きでボトルの中の空気を抜き、真空状態にする。
ボトルを手に持ち、口の部分を思いっきり素手で叩くと・・・ボトルの底が割れてしまった!



【解説】
水の入ったビンを叩くと、ビンだけ下がり水はそのままの状態を保ち、結果跳ね上がる。


するとビンの底の部分に真空ができ、水が底に向かって落ちていくので、その衝撃で水が急激に底に当たり、ビンが割れた。


※ビンが割れるので、けがをしないように軍手をはめるなど十分気をつけて下さい。
■真空っていったいなに?
真空とは「何もない」状態のこと。
約360年前、トリチェリーという物理学者によって証明された。
【実験】
管に水銀を満たしてその口を押さえ、水銀と水を満たした器に管を逆さにし、水銀の部分まで沈め、口を開けると、管の水銀は下がり、一定の高さで止まる。




このとき、どこからも空気が入ることが出来ないのに、空洞が出来た。



つまりこの空洞が「何もない状態」真空とされた。
管の中の一定の高さで止まっているのは、管の中の水銀の重さと、器の水銀を押す空気の重さが釣りあっている状態だから。
《水銀の上にある水の部分まで管を持ち上げると何が起こる?》
管を水の上まで上げると・・・水と水銀が入れ替わって、空洞がなくなった。

器に満たされた水銀の上にある水の部分まで管を引き上げると水は水銀よりも比重が小さいので水銀と入れ替わるように管を上がっていく。




この時、空洞だった部分には空気も何もないので水は空洞の部分まで達する。
この事で、管の空間が真空だということが証明された。
■色々なものを真空状態にするとどうなる?
真空ポンプを使ったおもしろ実験

《小型扇風機》
真空状態にすると扇風機は回るが、風が起きなかった。


【解説】
真空状態では空気がないので扇風機は風が起きなくなる。
すなわち真空状態では、鳥やヘリコプターは空を飛べない。
《ショートケーキ》
真空状態にするとショートケーキは膨らんだ!


【解説】
ショートケーキに使われている生クリームには細かい空気の泡がたくさんある。
真空ポンプによって、生クリームに含まれる空気がクリームの部分が膨らんだ。
《水》
真空にして少ししてから、水が急に沸騰してなんと凍ってしまった。



【解説】
通常水が沸騰する温度が約100度、しかし、気圧の低い富士山の上では約90度まで下がる。


このように気圧が低ければ低いほど沸騰する温度も下がるので火を使わなくても沸騰が起きる。
そして、沸騰が起きると水は蒸発する。すると蒸発と同時に水の温度を奪っていく気化熱反応が起きるので、水が凍ってしまう。



■フリーズドライはどうやって作るの?
今回は卵スープでどのようにしてフリーズドライになるのかを検証。

フリーズドライ専用の機械を使用し、検証スタート
機械に備え付けてあるプレートに卵スープを置き、これを急速に冷凍させる。

次に機械の中の空気を抜き、真空状態にすると卵スープから水分が完全に抜けておなじみのフリーズドライ食品の完成!

《凍らせたものから水分だけが無くなるのはなぜ?》
真空にする事によって気圧が下がり、沸点が極端に下がるので凍っている状態でも水分だけを蒸発させる事が出来た。
◆色々な食べものをフリーズドライにしてみよう!
今回フリーズドライにするのは、こんにゃく、焼き餃子、ワイン、味噌煮込みうどん、これらを卵スープと同じ様に冷凍し、真空にする。
真空にてから20時間後、中の食品を取り出してみると・・・





コンニャク・・・色が変わり、スカスカの状態。


焼き餃子・・・見た目にはあまり変化は無い様子。


ワイン・・・水分が抜け、色素だけ残った、カラカラの状態に。


味噌煮込みうどん・・・インスタントラーメンのように乾燥している。


これらのものをお湯で戻してみると・・・
コンニャク・・・お湯をかけてしばらく様子を見るが、元に戻らず逆に縮んでしまった。

【解説】
凍らせたときに組織が壊れていた為、お湯をかけても戻らなかった。
焼き餃子・・・お湯を注ぐと、今度はお湯を吸い込んでいかなかった。

【解説】
餃子は油の多い食べ物の為、水があまり吸収されなかった。
ワイン・・・スプーンでかき混ぜていくと、見た目は元に戻ったが、アルコール分も水分と一緒に抜けてしまい、ブドウの成分だけが残り、濃縮された状態になった。

味噌煮込みうどん・・・順調にお湯を吸収して見た目も、味も味噌煮込みうどんそのものの味に!

【実験結果】
コンニャクや油の多いもの、そしてアルコールを含むものはフリーズドライには向いていないという事が分かった。
★番組からのお願い★
「ラブラボ!」は大人から子供までを対象に、教科書等の理論だけでなく、実験を通して楽しく遊びながら、実際に体験し・手先を動かし・自分で工夫をこらす事によって科学を理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、実験によってはカッターやハサミ等の刃物や小さな部品、工具等を使ったり、火気やドライアイス、家庭用洗剤等の薬品を使うモノもありますので、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
また実験や工作に小さなケガは付き物ですが(紙一枚でも手が切れたりします)、正しい手順と(器具の)正しい使用で危険は大きく減らせます。特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。