でんじろう先生のはぴエネ!毎週土曜 午前11時35分~ 私たちの生活で様々な役割を果たしているエネルギー。身近だけど、意外と知らないエネルギーをでんじろう先生がおもしろ実験で徹底解明します!

2017年2月11日放送 第411回

「放射冷却って何?」

この時期、晴れた夜に冷え込みが厳しくなることがあります。
これは「放射冷却」という現象が起こっているためです。
放射冷却が起こると外にとめた車の横は凍っていないのに、上だけ凍ってしまう不思議な現象が起こることがあります。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?

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こちらに晴れた夜の間に起こる「放射冷却」の状況を再現してみます。
透明なケースの中に車の模型と温度計が入っています。


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車の表面には温度によって色が変わる液晶シートが貼ってあります。


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では、ここに冬の晴れた夜を再現しましょう。晴れた夜空には星が見えますね。
つまり、宇宙です。


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宇宙はとても温度が低いので、代わりによく冷えた保冷剤を置きます。


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冷気が直接、車に降り注がないように、容器にはラップとフィルムを張った板でフタがしてあります。


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この上に保冷剤を置きます。さて、どうなるでしょうか?


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数分後、車の上だけ、液晶シートの色が変わりました。つまり、上だけ冷えているということです。


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しかし、温度計を見てみると、ケースの中全体の温度は、2℃ほどしか下がっていません。液晶シートの色の変化から車の上は5℃程度温度が下がっています。


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保冷剤と車の間にラップとフィルムを張った板があるため、直接、冷気が車の上部にあたることはありません。なぜ、車の上だけ冷えたのでしょうか?


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車からは赤外線が放射されますが、同時に周りからも赤外線があたり、そのままでは、車の温度は変わりません。
車の上には、冷たい保冷剤があり、保冷剤からは、赤外線が出ていません。
そのため、車の上側は赤外線を放射するだけになるので、熱が出て行って、温度が下がったのです。


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放射冷却は、晴れた日の夜から朝にかけて起こります。
雲がある場合、空に向かって放射された赤外線が、再び地面に戻ってくるため、温度が下がりにくくなります。
雲が無い晴れた状態だと、宇宙にどんどん赤外線が放射されるため、地面の温度が下がり、厳しい冷え込みになるのです。


★番組からのお願い★

「はぴエネ!」は大人から子供までを対象に、身近なエネルギーを理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。