2017年8月26日放送 第439回
皆さん、『逃げ水』という言葉を聞いたことありますか?
とても暑い日に、アスファルトの道路などで、遠くに水があるように見える現象のことです。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?
(1)
逃げ水の現象をここで再現してみましょう。ここに黒い板があります。
(2)
その下には電熱線があります。電気が流れると熱せられます。
これが、日差しの強い暑い日のアスファルトの道路だと考えて下さい。
(3)
道路の端に青いパネルを立てます。これが遠くに見える空だと思って下さい。
(4)
そして、こちらから道路を見ます。
では、電熱線に電気を流して、道路を熱くしてみましょう。
(5)
水のようなモノが見える!
(6)
見えている水のようなモノが『逃げ水』です。
(7)
電熱線で板が熱せられると、空気に温度差が生まれます。光は暖かい空気と冷たい空気の境目で曲がる性質があるため、空の光が上向きに曲がります。
(8)
遠くにある空の光が道路の近くで上向きに曲がると、目に届いてなかった空の光が、人の目に入ってきます。その結果、曲がった部分で、道路に空が映り水が浮いたように見えるのです。
(9)
では、本当に温度差で光が曲がるのか?こんな実験をしてみましょう。
道路に向かってレーザーの光が真っすぐ伸びています。
この状態で下の電熱線を加熱します。すると・・・
(10)
道路に当たっていたレーザーの光が消えました。
(11)
実は、レーザーの光が上向きに曲がったため、道路のレーザーの光が消えたのです。このように、光は温度差によって曲がる性質があります。それが、地面に水が浮いたように見える『逃げ水』の秘密なのです。
★番組からのお願い★
「はぴエネ!」は大人から子供までを対象に、身近なエネルギーを理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。