2020年5月16日放送 第580回
お城や蔵の壁に使われている『漆喰(しっくい)』。漆喰とは、どんなモノなのか?
(1)
こちらに用意したモノは『生石灰』です。石灰岩という自然にある石を高温で焼くと、生石灰になります。
(2)
これに水をかけると・・・反応して『消石灰』になりました。実は、この消石灰がある物質と反応することで、硬く丈夫な『漆喰』になるのです。
(3)
その物質とは何なのか?それを明らかにするために、板に消石灰をぬったモノを2つ用意しました。1つは表面が乾いて間もないモノ。もう1つは、乾いて数日たったモノです。
(4)
これに水をかけます。すると・・・
(5)
乾いて間もないモノはボロボロと溶けだしました。こちらはまだ『漆喰』になっていない証拠です。
(6)
一方、乾いて数日たったモノは水に溶けません。こちらは硬くて丈夫な『漆喰』になっています。数日置いたことでなぜ漆喰になったのか、ポイントは空気中の二酸化炭素です。
(7)
消石灰は水に溶けるため、乾いて間もない壁は水で流れてしまいます。しかし、ぬってしばらく経つと消石灰が炭酸カルシウムに変化します。炭酸カルシウムは硬く、水に溶けません。これが『漆喰』なのです。
(8)
石灰水を使うと消石灰と二酸化炭素の反応がよく分かります。石灰水には、消石灰が溶けています。
(9)
ここに息を吹き込むと・・・吐いた二酸化炭素と消石灰が反応し、炭酸カルシウムができるため白く濁るのです。これが『漆喰』ができる仕組みと同じなのです。
★番組からのお願い★
「はぴエネ!」は大人から子供までを対象に、身近なエネルギーを理解し、興味を持つきっかけとなれるような番組を目指しています。
その為、当HPでも皆さんの参考にしていただけるよう、番組で紹介した初歩的な科学実験の一部を掲載していますが、ご家庭で行う場合には各自の責任において十分にご注意下さい。
特にお子様が実験をする場合には、必ず大人の監督・指導の下、行って下さい。番組の趣旨をご理解の上、以上宜しくお願いします。