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“知られざる魚”商品化に学生が奮闘 高校生レストラン「まごの店」コロナ禍1年以上の休業で生徒たちにも影響が…

報道局

ドラマ化で一躍有名になった三重県多気町の高校レストラン。新型コロナの影響で店が休業となり、お客さんと接する機会が激減。

高校生たちの挑戦の場が少なくなっていました。そんななか、地元の企業とある“知られざる魚”を使って商品化に取り組むことに。高校生たちの挑戦を追いました。

 

大人気「高校生レストラン」にも新型コロナの影響が-

三重県松阪市のスーパーで、待ち構えていたお客さんが次々と手を伸ばす大人気のお弁当。地元産にこだわり、彩り豊かなおかずが目を引きますが、スーパーが作ったお弁当ではありません。

このお弁当を作っているのは、ドラマ「高校生レストラン」の舞台となり一躍有名になった、三重県多気町の相可高校の生徒たち。

日頃から実習施設の高校生レストラン「まごの店」で腕をみがき、プロの料理人を目指している生徒たちでしたが、新型コロナの影響で状況は一変しました。

 

「やっぱりさみしいですね。この状態を改めてみると」(相可高校調理クラブ顧問 西岡宏起さん)

コロナ禍によって「まごの店」は去年2月から休業。お客さんと接する機会が失われたことで、こんなな影響も…。

「お客さまと接することが少ない分、お客さまに料理を提供する意味でのみんなの緊張感が薄れている気が最近しています」(相可高校調理クラブ 杉森空人 部長)

いまは週末の弁当作りだけが唯一お客さんに料理を提供できる機会だといいます

そんななか、地元の企業から“ある挑戦“への依頼が舞い込みました。

 

市場に出回らない魚“未利用魚”を“商品”に!?

今年1月。夜明け前に三重県志摩市の港を出た漁船。網をたぐり寄せると、ブリやカツオなど大量の魚が。

その傍らで、漁師たちが手を焼く魚がいました。網にひっかかっている小さな魚「ギマ」です。

「とげが鋭いから他の魚を刺して、商品価値も下げる」(漁師)

鋭いトゲが特徴的な「ギマ」。かわいい顔ですが扱いづらさから市場に出回ることはなく、“未利用魚”と呼ばれています。

この魚に目をつけたのが、地元の水産加工会社に勤める石川隆将さんです。

「ギマ」の皮は、ぬめりがあってかたく、さばくだけで一苦労ですが、その味は意外にも…。

「いただきます。あ、フグや!カワハギや!あとで甘みがちゃんと来る」(伊勢志摩冷凍 石川隆将さん)

味は抜群に良いものの、活用されずにいた未利用魚。価値を見出せば漁師たちの収益アップになるうえ、水産資源の有効活用にもつながります。

そこで、高校生レストランの休業で活動の場を失っていた相可高校の生徒たちに、商品開発を依頼。生徒たちは未利用魚の商品化に挑戦することになったのです。

「使われないだけで、味はいいし、おいしいし。使い勝手が悪いだけで捨てられているのはちょっとおかしな話やなと思ったりする」(調理クラブ 杉森部長)

 

いざ商品開発!しかし“前途多難”な問題も…

今年2月。商品開発が始まりました。近隣のスーパーで販売することを目標に、8人の選抜メンバーが集結。

商品には「ギマ」と、種類が不揃いな小魚を使っていくはずだったのですが、調理の様子を見ると、魚のカタチが「ギマ」とはちょっと違います。

「きょうはギマがあがらなかったらしいので、代わりに別の食材で」(調理クラブ スタッフ)

その翌日も…。

「ギマが届かないということで、身質が似ているフグを使おうということで」(調理クラブ 杉森部長)

なんと肝心の「ギマ」が届かないトラブルが発生。安定して水揚げされないのも未利用魚たる由縁。かわりの魚を使い、レシピ開発は続行です。

商品開発チームを仕切るのは、50人の部員を束ねる部長の杉森空人くん。プロの料理人を目指し、後輩からも一目置かれる存在です。

杉森くんが作っていたのは、お米から作られた米油のアヒージョ。

「油そのまま入れておいて。炒めないで油入れて。具材とか全部入れておいて。ニンニクも食べられるから」(調理クラブ 杉森部長)

「ギマ」や小魚は骨まで食べられ、野菜も三重県産の食材にこだわります。

 

別の場所では、三重県でよく食べられる“田舎あられ”を衣に使った「おかき揚げ」を調理。

「ええ色やん。ゴツゴツしてた方が俺は好き」(おかき揚げを開発中 濱口天誠くん)

あられの大きさや味付けを変えながら、試行錯誤を続けます。

 

そんななか杉本部長が声をかけたのは、1年生の原田一花さん。干物に合うソースを作るよう課題を与えました。

「魚にかけるっていうていで、新姫(にいひめ)のソースつくって。どんな味でもいい、甘くても辛くてもいい、酸っぱくてもいい」(調理クラブ 杉森部長)

「新姫」は熊野市特産の柑橘類で、さわやかな酸味と独特な苦みが特徴です。そこにお茶っ葉を加えて香りを足していきます。

「合うか?」(調理クラブ 杉森部長)
「合わなかったです。マジわからん」(原田一花さん)

食べ慣れない魚を、自ら作ったソースでおいしくしたいと、その後も行錯誤を重ねます。

そして…。

「うん。じゃあこれで真空パック(して完成)」(調理クラブ 杉森部長)
「ありがとうございます」(原田一花さん)

見事、合格。これには、原田さんの足も思わず弾みます。

 

運命の“試食会”「満場一致」で高評価の料理が…!

そして、商品化する料理を決めるための試食会が開かれました。

試食会に登場したのは、今回の商品開発の監修を担う三重県出身の料理人・田中佑樹さん。東京・西麻布で割烹料理店を営み、旅行口コミサイトで全国トップを飾るスゴ腕料理人です。

「僕が持っている知識も全部出しますし、生徒たちのアイデアひらめきっていうものをきちっと拾い上げてあげて、いいかたちで残してあげながら、どういう商品がいいかなと」(商品開発を監修 田中佑樹さん)

試食会は感染対策のためオンラインで開催。取材班も学校に入れないため、これまでの撮影も行ってくれていた、相可高校放送部の山本采音さんが協力してくれました。

 

生徒たちが考案した料理は5つ。

同じものが田中さんのもとに送られ、評価が下されます。

 

最初は、部長の杉森くんと1年生の原田さんたちが作った干物とソース。

ソースは、新姫をベースに梅干しと抹茶の2種類用意しました。

「新姫独特の苦みが引き立つので、どうすればいいのができるか分からなかったので、2種類の ソースを送ることにして」(調理クラブ 杉森部長)

果たして、全国トップにも輝いた田中さんの評価は…。

「ソースはおいしいんだけど、干物で出すなら干物で完成させるか、加工もある程度楽なスタイルが見つけられるといいかなと」(商品開発を監修 田中さん)

干物とソースという2つの調理は手間と時間がかかるため、商品化のハードルになるという指摘が。

 

続いて、あられをつけて揚げた魚を伊勢茶の塩でいただくおかき揚げは…。

「非常にいい味わいだったと思います。おかきの香ばしい感じとお茶の苦み香りも相性がいいので、いい組み合わせだと思います」(商品開発を監修 田中さん)

評価は上々。完成度の高さに、田中さんも太鼓判を押します。

 

その後すべての試食が行われ、1番良かったと思う商品を決めることに。結果は…。

「おかきあげがよかったなと思った人手をあげてください。…すごいね、満場一致だね」(商品開発を監修 田中さん)

なんと、おかき揚げが満場一致でよかったと評価されたのです。

これには、開発者の濱口くんも…。

「本当にうれしかったです。自分が考えたのがみんなにいいと思われて、すごくうれしかったです」(おかき揚げを開発 濱口くん)

 

いよいよ商品化!ここで“オンライン会議”の弊害が…

商品化に向けた今後のステップは、生徒たちが開発したレシピをもとに、加工会社が商品を製造。それをスーパーで販売します。

2か月後。商品化には、満場一致のおかき揚げ。そして、味の良さと量産化のしやすさからアヒージョが選ばれました。

完成したレシピをもとに加工会社の石川さんが商品のサンプルを作成。ところが、レシピ通りにいかず大苦戦したようで…。

「いっぱい失敗しました。あられ揚げを今まで作ったことがなかったので」(伊勢志摩冷凍 石川さん)

あられのかたまりが“いびつ”にくっついたおかき揚げ。これでは商品として出せません。

「おかきの粉砕が大きいポイントで、課題として見つかりました。量産していく上ではどうしても解決しないといけないところ」(商品開発を監修 田中さん)

加工会社では急きょ、商品サンプルを作り直すことに。大苦戦の理由は何だったのでしょうか。

「作るところをお互い見られたら、一番よかったですね。オンライン会議は手軽ですぐできるので いいけど、作業手順をはしょってしまうのはあるかもしれない」(伊勢志摩冷凍 石川さん)

オンラインのやりとりは便利な一方、細かな工程が確認できず、思わぬ誤解を生んでいたのです。

あられは生徒たちに砕いてもらうよう依頼。レシピ通りの見た目と味は再現できるのでしょうか。

 

商品発売当日!“苦渋の決断”の行方は…!?

7月4日。三重県松阪市のスーパーでの販売当日。料理人の田中さんも現場に駆けつけました。

目を引くアヒージョのパッケージは、アヒージョに馴染みがない人でも手に取ってもらうための工夫がされています。

一方で、おかき揚げが見当たりません。

「いろんな課題が新たに見つかって。一緒に販売したかったんですけど間に合わず。まずは三重のサチージョの販売でスタートしたところです」(商品開発を監修 田中さん)

実は、小魚にあられをつける工程は手間がかかりすぎるため、目標の価格にならず、量産できないことが判明。

そのため、まずはアヒージョだけをテスト販売することに。苦渋の決断だったのです。

 

売り場には、次々とお客さんがやってきます。

 

「相可高校の方は一生懸命やってみえるから。ちょっと応援になればと思いまして」
「こういういろんな魚を料理して、アレンジしてもらうのはすごく楽しみになる」(購入客)

用意した30個は1時間足らずで完売しました。

 

コロナ禍でお客さんとの触れ合いが激減するなかで行った今回の挑戦。

お客さんのことを考え商品開発を行ったことで、生徒たちの新たな成長に繋がったようです。

「僕たちがいま第一に考えているのが、お客さまに対して(未利用魚を)どうやって知ってもらうか。お客さまにっていうのが一番最初に出てきたのが、自分たちのモチベーションじゃないですけど、しっかり高まってきたなと思います」(調理クラブ 杉森部長)

 

ちなみに、今回は商品化を見送られたおかき揚げですが、悔しさをバネに、新たなレシピ開発が始まっていました。

「粉を使って、揚げた後にまぶして食べるのはどうかなと。また新しくレシピを開発しないといけないので、そこをもう一段階がんばって、次こそ商品にできたらいいなと思います」(おかき揚げを開発中 濱口くん)

高校生たちの挑戦はまだまだ続きます。

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