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「いつも最初に切られるのは外国人」 コロナ禍で窮地に陥った外国人労働者たちに寄り添う人々の思い

報道局

 新型コロナウイルスの影響による経済の悪化で、日本で働く外国人が次々と職を失っています。その日の食べ物に困っている人たちも。

 しかし、手を差しのべる人、支える人たちがいます。外国人労働者が集中する愛知県。彼らを直撃する現実を取材しました。

 名古屋市天白区の徳林寺。5月13日に取材に訪れると、全国からベトナム人たちがこのお寺に集まっていました。

 新型コロナウイルスによる日本経済の悪化で、突然仕事を失い収入がゼロに。家賃も払えず12人のベトナム人がここにたどり着いていました。

 ベトナム政府はチャーター便を運航していますが数は非常に少なく、彼らが帰るめどは全くたっていません。(6月5日段階)

 来日して19年、在東海ベトナム人協会の副会長を務めるユン・テイ・トゥイ・ユンさん。

 彼女がSNSで生活に困ったベトナム人に呼びかけたことで始まったのが…。

「先生(住職)はオッケーしてくれたので、フェイスブックで困った人、住むところのない人へ呼びかけました」(在東海ベトナム人協会 副会長 ユンさん)

 徳林寺の住職・髙岡さんが困り果てたベトナム人たちに救いの手を差しのべたのです。

「いいですか?と言われたから、いいですよと言ったぐらいで、ある意味では当然だし、若い人が来てくれるのはうれしいことです」(徳林寺 住職 髙岡秀暢さん)

 住まいはもともと寺の中にあった参拝者用の施設。住職は、もう30年近く生活困窮者や留学生を支援してきました。

 ここにやってきたベトナム人は技能実習生がほとんど。その制度の目的は、日本で働き、学んだ技術を母国で役立てることです。

 みな多額の借金をして来日し、最大5年の滞在でジャパニーズドリームを夢見ています。

 

 5月下旬、名古屋市天白区の徳林寺のベトナム人は30人ほどに増えていました。

「いま建築ができる人がいます」(在東海ベトナム人協会 副会長 ユンさん)
「そういう人が中心になってやれば意外と簡単にできる、楽しいし」(住職 髙岡さん)

 住職は、新しく来た人のために宿舎の向かいに部屋を作ることにしました。

「部屋がないから隔壁をつくる。本当は外に大きい家をつくろうと思ったんだけどね」(住職 髙岡さん)

 一気に人数が増えたため、「3密」を避けるためでした。

 屋根の上には住職が手作りをした温水シャワーの装置。

 太陽光で水を温める仕組みですが、人数が増えたため、途中で温水がなくなり、冷たい水で我慢していました。

 そこで今回、装置をもうひとつ増やすことになったのです。

 作業しているのは、三重県で太陽光パネルを設置していたチュンさん。高所作業はお手のものです。

「太陽光パネルをやるときは、高い所乗ってばかりですね、慣れています」(チュンさん)

 集会室だった場所に新たに6部屋が完成しました。1部屋に2人入るので12人の居場所は確保。

 カーテン生地は女性たちが選び、縫製の仕事をしていたフェンさんが仕上げました。

 この頃、寺に身を寄せているベトナム人の話が知られるようになり、全国から米や野菜、ベトナムの食材など支援物資が大量に集まってきました。

 5月末、全員総出で物資を車へ積み込む姿がありました。

 全国から集まった支援物資を、今回の新型コロナウイルスで同じように困っている外国人たちに届けることにしたのです。

「支援がいっぱいあって、米も自分たちで食べきれないくらい来た。他にも困ってる外国人がいるから、その人へ分け与えようとユンさんが考えた。思ってもみない展開でとても感動的です」(住職 髙岡さん)

 物資を積んだ車が到着したのは名古屋駅。

「みんな力を合わせて、日本人とベトナム人が力を合わせましょう」(在東海ベトナム人協会 ユンさん)

 ユンさんが事前にSNSで呼びかけていたため、すでに行列ができていました。

「頑張ってね」(在東海ベトナム人協会 ユンさん)

「うれしいです。ありがとうございました」
「よかった。ありがとうございます」(受け取った方)

 

知立団地で外国人を支える“おかあさん”

 日本で最も多くのブラジル人が住む愛知県。

 愛知県知立市にある知立団地は、自動車産業などで働く日系ブラジル人を中心に、住民の7割、2000人を超える外国人が暮らしています。

 そんな彼らが“おかあさん”と慕う日系ブラジル人、ミウラ・クミコさん。

 団地の中でカフェを営むクミコさんの元には、漢字が読めないためビザの申請書が書けない人や日本語が話せない人の引っ越しの手続きなどあらゆる相談が舞い込みます。

 今年3月、クミコさんは、外国人がより条件のいい就職先を見つけられるよう、団地内に日本語を学ぶための教室を開こうとしていました。

 しかし、オープンした今、やって来るのは「コロナ切り」にあった外国人ばかりです。1日に10人から15人。ひっきりなしです。

 愛知県碧南市に住む来日して20年ほどの男性と女性。

 男性は派遣先から突然休業を言い渡されました。女性はシングルマザー。不定期のアルバイトだけで、ひとり息子を育てています。

「週に(収入は)2万円くらい。家賃は1万7000円。もう2か月遅れています」(ミウラ・クミコさん)

 1万7000円の家賃が2か月払えなくなっていました。

「今まではこんなことなかった?」(記者)
「初めてです」(女性)
「(来日して)初めてです。家賃以外に水道やガス、電気代もあるから心配です」(男性)

 3か月前にブラジルから来日したばかりの家族。2か月働いただけで父親が解雇されました。

「子どもが今から学校に行くが、給食代も払わないといけないから心配」(ミウラ・クミコさん)

 食べることすらままならない。支援物資が命をつなぎます。

「2008年(リーマンショック)も 2011年(東日本大震災)も同じことです。いつも最初に切られるのは外国人です」(クミコさん)

 これまで経験したことのない最悪の事態。クミコさんの心は悲鳴をあげていました。

「日本に住んでいる外国人が困っていますから、(国籍は)関係なくみんなで手を合わせましょう」(クミコさん)

 

外国人労働者が日本を選ばなくなる

 急増する外国人労働者。

 飲食業をはじめ、農業や漁業、製造業などあらゆる分野で日本を支える「なくてはならない存在」です。

 日本で暮らすインドネシア人を支援する名古屋学院大学の佐伯奈津子准教授の元には、毎日、解雇された彼らの悲鳴が届きます。

「何人か解雇された人から細かく詳しく聞いたところ、まずは外国人から全員クビを切られていた。ある意味、都合がいい存在」(名古屋学院大学 佐伯奈津子准教授)

 この状況が続けば、将来日本では誰も働かなくなるのではないか。佐伯准教授はそう心配します。

「(外国人にとって)香港や台湾、マレーシアなど他の国への出稼ぎ(の選択肢)がたくさんあり、その中で(外国人が)日本を選択しなくなった時、私たちはどうやって今の生活を続けていくのか」(佐伯准教授)

 この先、外国人労働者が日本を選ばなくなったら。もう人ごとではありません。

 新型コロナウイルスで窮地に陥る外国人たち。

 しかし手を差しのべる人、支える人がいて、この難局を何とか乗り越えようとしています。

 

■取材後記

全国から名古屋市の徳林寺に集まるベトナム人は、待機している人も含めて60人にふくれあがっていました(6月6日取材)。髙岡住職は「境内には広い土地があるので、仮設住宅を建てられればと思っている。仮設住宅を提供してくれる人が現れれば非常に助かる」とこぼしていました。(記者:兼松俊之)

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