“人手不足”の保育現場を救う…コロナで困窮の学生たち 「ワークスチューデント」に注目
人手が足りない保育現場と、新型コロナで困窮する学生たち。両者をつなぐ「ワークスチューデント制度」が注目されています。
愛知県安城市にある慈恵幼稚園で実習を受けている、慈恵福祉保育専門学校の2年・石川実優さん。実は「ワークスチューデント制度」を使っています。
「ワークスチューデント制度」は、保育の専門学校などの学生が、幼稚園などの実習に参加し実践力を高めるだけでなく、働いた分の給料が支給される仕組み。
ワークスチューデント制度の背景にあるのが、保育士の“人手不足”です。
「人手不足というところで、少しでも保育士あるいは学生が入ることによって、保育のサービスを提供できる」(慈恵福祉保育専門学校 広報岩瀬ゑり子さん)
厚生労働省によりますと、昨年度の保育士の有効求人倍率をみると、多い時には、3.86倍。預かり保育や延長保育も増え、人数はさらに足りなくなっているといいます。
「働くお母さんが増えてきていますし、低年齢のうちから保育園や幼稚園に預けるということも。しっかりみていくためには、もっと少人数のクラスごとでみてあげたい」(慈恵幼稚園 山田秀美 園長)
一方で、今年は新型コロナウイルスの影響でアルバイトができない学生も少なくないといいます。
そこで人手不足の保育現場と困窮する学生、お互いにメリットがある、ワークスチューデント制度を導入することを決めたのです。
「かなり助かります。ぜひ今後も制度があれば利用していただいて、どんどん保育士として活躍してもらいたいなと」(幼稚園の職員)
とはいえ、今年はまだ試験的な運用。来年から他の園でも本格的に募集をしようと、専門学校では高校に出向いて説明会を実施しているということです。