農家の顔写真がのった“農カード” ネット販売の需要高まる中、カードで差別化図る レアカードも
新型コロナウイルスの影響もあり、様々な分野でネット販売の需要が高まっている中、農家では、生産者の顔写真をのせた“農カード”というカードが話題となっています。
愛知県南知多町の「澤田菜園」。新型コロナの影響で、店頭での売り上げは減りましたが、ネット販売は好調で、去年に比べ約3倍に増えたといいます。
発送するための梱包作業を見せてもらうと、野菜と一緒にカードを入れていました。
「これは“農カード”といって、“農家の名刺”のようなものです」(澤田菜園 稲川千鶴さん)
9月から始めたという農カード。表面には生産者の顔写真、裏面には農園のホームページへとつながる二次元コードが印刷されています。
現在、全国71の農家が参加している農カード。
発案者の一人、岐阜県本巣市にある「西垣農園」の西垣誠さんは、農カードは試行錯誤の中で生まれたといいます。
「ネット販売の中で、いかに自分の作物を選んでもらうのかがポイントになる。選んでもらうきっかけの一つとして、農カードというキーワードが役に立てばと思っています」(西垣農園 西垣誠さん)
新型コロナウイルスの影響でネット販売の需要が高まる中、顔を出すことで、お客さんに安心して買ってもらえるようにと、農カードの取り組みを始めたそうです。
参考にしたのは青森県の“漁師カード”。
魚を購入するともらえるカードで、購入者の間では「(漁師カード)全部集めている」「もっと欲しい」と、話題になっています。
漁師の顔写真のほかに、レア度をつけるなどして人気を集めています。
同じように農カードにもレア感を出したいと、西垣さんが考えたのは、直筆のサイン付きカード。
「20枚か30枚に1枚ぐらいサインを入れて送ろうかなと。サイン付きカードが来たらラッキーだなと思ってもらえれば」(西垣農園 西垣さん)
西垣さんが生産する富有柿の収穫が始まるのは11月。予約はすでに続々と入ってきていて、農カードを希望する人が多くいるといいます。
「顔を出すことによって、下手なものは送れない。自信をもって送られる作物なので、買っていただく方には安心を感じてもらえたらいいなと思います」(西垣農園 西垣さん)