子どもの個性を伸ばし、親の心を支える― 全国でも珍しい“発達障害の子ども専門”マッチングサイト
名古屋市の女性が始めた “発達障害の子ども向けマッチングサイト”。全国でもほとんど例がないという取り組みが、子どもと親、両方の支援に役立っています。
今年9月にできた「訪問療育マッチングサイト meete(みーて)」。発達障害の子ども専門のマッチングサイトで、障害などにより、学習・社会性において様々な困難を抱える子どもと、療育支援の経験が豊富なスペシャルサポーターを繋いでいます。
登録しているサポーターはまだ11人ですが、習い事や預かりなど、様々なサポートを1時間2000円程でうけることができます。
このサイトを立ち上げたのは名古屋市に住む柳谷智子さん。普段は障害者の就労支援の事業所で働いています。
「ベビーシッターのマッチングサイトや家事手伝いのマッチングサイトを見て、(発達障害の子どもとサポーターを)うまく結びつけられたらおもしろいなと思って始めました」(柳谷智子さん)
サイトにはいま、発達障害の子を持つ親から、習い事だけでなく、日々の相談なども多く寄せられているといいます。
名古屋市に住む橋本驍(たける)くん(10)も、このサイトを通じて、絵を習い始めようとしていました。
もともと、絵を描くのが大好きなたけるくん。お母さんは絵を習わせたいと思っていました。
しかし、なかなか教室が見つからなかったといいます。
「発達障害もあるし、大人数の中で学ぶことが厳しいかなと思っていて」(母・橋本春美さん)
自閉症で、たくさんの人と接するのが苦手だというたけるくん。そのため、今回「meete(みーて)」を通じて、絵の先生をお願いすることにしたそうです。
迎えた11月のある日曜日。絵の先生がやってきて、初めての習い事に挑戦です。
初めての習い事にたけるくんも大満足。絵の先生も感心しています。
「たけるくん上手です。たけるくんの絵がすてきだよ」(絵の先生 本明 紅さん)
今まで習い事は諦めていたたけるくんのお母さんでしたが、これからもこのサービスを使っていきたいと話します。
「(子どもの)強みを伸ばしたいし、習い事をやらせたいという思いもあるが、何よりも、本人が楽しい時間を過ごしてほしい」(母・橋本春美さん)
発達障害の子どもの特性はさまざま。マッチングサービスが子どもの個性を伸ばし、親の心の支えにもなりそうです。