街の中に“巨大アマビエ”出現!? コロナ禍で注目を集める“珍風景”たち 訪れた人に笑顔届ける 三重県
新型コロナの影響で暗いニュースが続く中、三重県では、街の中にある“珍風景”が明るい話題を届けています。“巨大アマビエ”や“会社の中の動物園”など、訪れた人が思わず笑顔になってしまう3つの珍風景を取材しました。
三重県松阪市飯南町に立っているのは、巨大な「アマビエ」です。
地元の住民15人が稲わらなどを使って、約3か月かけて作りました。
このアマビエには新型コロナの早い収束と、「見に来てくれた人が笑顔になって、コロナに気をつけてもらいたい」との願いが込められているといいます。
見に来た人は、「かわいい」「大きくて疫病を撃退してくれそう」と、その姿を写真で撮っていました。
続いて、「すごい“五重の塔”がある」と聞いてやってきたのは、三重県いなべ市。普通の民家の入り口の横に、高さ約3メートルの五重の塔がありました。
パーツは一個一個手作りで、材料はヒノキや水道管などで、すべて廃材から作られているといいます。
この五重の塔を作ったのは、この家のご主人、和波憲雄さん(77)。現役の木型職人である和波さんは、これまでも発泡スチロール製の水琴窟(すいきんくつ)などユニークな作品を手がけ、「町の発明家」として知られています。
実は「五重の塔」作り、2年前にも挑戦しましたが、その大変さから途中で断念し「三重の塔」にとどまっていました。
ところが、今年は新型コロナの影響で仕事が減り、自宅にいる時間が増えたため、再挑戦することに。約4か月半かけて完成させました。
「未練があるもんで、自分も老い先、大したことないもんで、思い切って作ったよね」(和波憲雄さん)
コロナ禍の自粛期間を前向きにとらえて、頑張ったからこそできた作品でした。
三重県松阪市にある塗装会社、タケガワ塗装。この会社の敷地内には、“動物園”があり、話題となっています。
動物園では、ヒツジ、ヤギ、アヒル、ロバ、ミニチュアホースなど12種類、30匹の生き物が飼育されています。
動物園を運営しているのは、塗装会社の社長・竹川直樹さん。地元に貢献したいという思いで、動物園を開いたといいます。
「自分の好きな動物たちをせっかくだから、たくさんの人に見てもらって、優しい気持ちになってくれたらいいなという思いで(つくった)」(タケガワふれあい動物園 園長 竹川直樹さん)
ほぼ手作りで約3か月かけて作り、去年5月にオープンしました。入園料は無料です。
そんな中、最近コロナの影響で“ある変化”が起きているといいます。
「コロナ禍になってから来園者が増えたような気がします。近くにあってよかったねということで、リピーターの方もたくさんいます」(園長 竹川さん)
新型コロナの感染が拡大する中、屋外であることと、遠出を避けて近所で遊ぶ人が増えたため、来園者が増加。11月は初めて3000人を突破し、人気となっています。
一方で、コロナ禍の影響で、本業の塗装会社の売り上げが減少。動物園の運営資金を本業から補てんしているため、資金繰りが厳しい状態になりました。
そこで、以前から設置していた募金箱に加え、12月10日に通販サイトを開設し、パーカなどの応援グッズを販売し始めました。売り上げは、動物園の運営資金に加えるということです。
コロナ禍で街の中に現れた“珍風景”が、たくさんの笑顔を届けていました。