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“1ミリリットルからのスタート” 極低出生体重児の命綱「ドナーミルク」とは

報道局
愛知 特集 2020/09/15 13:30

 1500グラム未満で生まれた、小さな赤ちゃん。その命綱として期待されるのが「ドナーミルク」です。

 

 お母さんと楽しそうに遊ぶ、佐藤凛ちゃん(仮名)。今年8月、1歳の誕生日を迎えました。

 元気いっぱいの凛ちゃんですが、生まれたときの体重はわずか400グラム。小さな、小さな赤ちゃんの命をつないだのが「ドナーミルク」でした。

「子どもにとっても、母親である私にとっても、すごく助かる。大事な存在だったなと思っています」(母・佐藤さん(仮名))

 

 ドナーミルクの仕組みでは、母乳が多く出る母親がドナーとして登録し、提供された母乳を母乳バンクで殺菌・冷凍します。

 それを、母乳が出なかったり、服用する薬により母乳を与えられない母親のもとに届けるというものです。

 

 藤田医科大学(愛知県豊明市)のNICU(新生児集中治療管理室)では、今年7月からドナーミルクの利用を始めました。

 ドナーミルクを利用するのは、1500グラム未満で生まれた“極低出生体重児”たち。日本では年間約7000人もの赤ちゃんが、極低出生体重児として生まれます。

 

 低体重で生まれた赤ちゃんは消化器官や内臓が未発達で、様々な危険にさらされます。特に恐れられているのが、「新生児壊死性腸炎」です。

「この病気は赤ちゃんの死亡率がとっても高い病気で、体重によっては死亡率60%ぐらいある病気です」(藤田医科大学医学部小児科 宮田昌史 准教授)

 その発症率を下げるとされるのが、母乳・ドナーミルク。小さな命にとって、ドナーミルクはまさに“命綱”となるのです。

 

 実際にドナーミルクを利用した、平野由麻さん(29)。

「すごく焦って。やっぱり母乳あげたいけど、でもできないしっていう葛藤。自分の母乳ではないけど、栄養ある母乳をあげられるなら、精神的にすごく軽くなった」(平野由麻さん)

 今年2月に念願の妊娠がわかった平野さん。生まれた娘の詩(うた)ちゃんの体重は、1447グラムでした。

「小さく産んでしまってごめんねっていう気持ちが出てきてしまって、涙が止まらなくなってしまって」(平野由麻さん)

 由麻さんは持病で服用している薬の影響で、詩ちゃんに母乳を与えることができませんでした。そこで病院から、ドナーミルクを紹介されたのです。

 

 詩ちゃんが生まれた次の日から、ドナーミルクの利用を開始。わずか1ミリリットルからのスタートです。

 健康状態を観察しながら、毎日少しずつ与える量を増やしていきます。

 消化器官が未熟な状態で生まれる小さな赤ちゃんにとって、ドナーミルクは人工乳にはない働きをするといいます。

「母乳だと、腸を動かす働きがある。(母乳は)3時間たったら、しっかり胃の中がからっぽになっていて、人工乳だと3時間前に入れたミルクがまだ残っていることが多い」(藤田医科大学医学部小児科 宮田昌史 准教授)

 

 現在、ドナーミルクを利用できる病院は全国で21施設(9月10日時点)。この現状について医師は、今後の普及への思いを語ります。

「特別な医療になっているが、特別じゃない医療にしていきたい」(藤田医科大学医学部小児科 宮田昌史 准教授)

 

 生後3週間が経ち、詩ちゃんはドナーミルクのおかげで順調に成長しました。

 由麻さんは、一日に2回ほど、面会へ出かけ、声をかけたり、だっこをしたり、詩ちゃんと一緒に多くの時間を過ごしているそうです。

「使えるんだって安心感で、精神的にも楽になると思うので、たくさんの人に使ってもらえると良いなって思います」(平野由麻さん) 
 

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