仕事と子育ての両立、どうしてる?

パパママ社員 働き方座談会

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前田 麻衣子

アナウンス部 1998年入社

2015年に長女を出産し、産休・育休を取得。

星 佳代子

報道局 2003年入社

2011年に第一子を、2014年に第二子を出産。2回の産休・育休を取得。

山田 元気

報道局 2012年入社

6歳の長男、3歳の長女、0歳の次女のパパ。次女の出産に伴い、約1か月半、育児休業を取得。

伊藤 裕作

コーポレート局 2014年入社

2歳の長男、0歳の長女のパパ。長女の出産に伴い、約1か月間の育児休業を取得。

Q.育児と仕事の両立について、どんなイメージを抱いていましたか?

前田

育児と仕事を両立するという働き方に対して、もともとイメージできていた?

全然想像してなかったです。私が20代の頃って、業界的にも世の中的にも、出産を経て復帰している女性の先輩が身近にいなかったし、「仕事にすべてを注ぐことも厭わない!」というくらい仕事に没頭していたので、仕事以外のことをあまり考えていなかったかも。

前田

確かに、子育てしながら仕事をしている女性は少なかったね。私が所属するアナウンス部は恩田(千佐子)アナが働くママの先駆者として道を切り開いてくれていたけど、私自身は子どもを産み、育てる自分をまったくイメージできなかったなぁ。

山田

僕が入社した2012年頃も、女性で産休・育休取っている人ってあまりいなくて、ちょうど星さんが育休取っているっていうことが話題になっていたんですよ。きっと、まだスタンダードじゃなかったから目立っていたんだと思います。

そうそう。当時、所属していた営業局は女性自体が少なくて、産休・育休取得者なんて数年に1人くらいという印象だった。

前田

そうそう!今は同じ時期に、1つの部署で複数名が取っているもんね。育休明けホヤホヤの伊藤さんは、最初から育休を取得しようと思っていたの?

伊藤

僕自身は父親が不規則な仕事で、小さい頃からあまり家にいなくて寂しかった記憶があったので、自分が父親になる時は、子育てにしっかり参加したいと思っていました。入社直後に「男性でも育休取れますか?」って上司に聞いたこともあります。

山田

僕は1人目、2人目の時は育休という発想がなかったな。上の2人の子の出産時は、妻が実家のある大阪へ里帰り出産していたので、全く支障はなかったんです。でも3人目が生まれる時は、長男がもう幼稚園に通っていたこともあり、あまり長期間休ませたくないという思いが強くて。

前田

報道局の男性で育休取っている人って、今までいたっけ?

山田

聞いたことなかったですね。だからこそ、自分が先駆者になって会社の働き方を変えていくきっかけになればいいな、という思いもありました。

Q.育休、時短など会社の制度をどのように活用しましたか?

前田

今、育休って最長でどのくらいの期間取れるんだっけ?

かつては1年だったと思うけど、保育園に入れないという問題があって、期間が延びたよね。

伊藤

僕は育休の申請をした当時、営業推進部だったのですが、実際に生まれる段階になった時には経理部に異動になって。異動直後で、しかも決算時期とも重なってしまったものあり、忙しさから正直休みづらい気持ちはありました。

タイミングが悪かったよね。しかも、異動先が人数の少ない部署だったから余計に。私も2回目の育休の時、経理部で少人数の部署だったから「みんな、ごめんよ〜」という気持ちはすごくあったよ。

山田

僕は、何も感じなかったけどな〜。最初、上司に切り出す時は少し考えたけど、誰も反対する人いないだろうなと思って。「みんなにしんどい思いをさせているんだろうな」とかそんな罪悪感、一切感じなかった。

全員

それはよかった(笑)。

前田

そういうメンタルも大事だよね!

報道局は、部署自体が100人くらいいる大所帯なので、単純に1人休んだ時の周囲にかかる負担感が少し薄まるというのもあるかもしれないね。

前田

時短勤務の人も増えたよね?

そうだね。私が育休明けに時短勤務を申請したら、当時はまだすごく珍しいケースだったみたいで、「多分、初めてだと思う」って人事部の担当者に驚かれたなぁ。女性も増えて、子育てする対象者が増えてきたことによって、少しずつ課題も浮き彫りになり、いろいろ改善されてきているよね。

Q.育休中は、どうやって過ごしていましたか?

前田

育休中のメンタルって、どんな感じだった?私は半年面談で、育休中でも会社に出社する口実があったことで救われた部分があったかも。さすがに1年以上期間が空いてしまうと、「本当に戻って大丈夫かな」って不安になったと思う。あとは育休中でも会社の掲示板やメールを確認できる環境だったことで、“浦島太郎状態”にならずに済んだという面もあるかな。

そうですね。経理部の時はみんなすごく仲が良かったこともあり、休暇中なのに食事や決算打ち上げに呼んでくれて、ありがたかったです。子どもを連れて参加させてもらったこともあります。

前田

アナウンス部もあったな〜。育休中に送別会に呼んでもらった。それから、日々の業務連絡のメールに、ちょっとした部署内の様子とか、他愛もない世間話的な一言を添えてくれることもあって、みんなの日々の様子を垣間見ることができて楽しかったのを覚えてる。山田くんは、育休中に自分が担当している番組を見ていた?

山田

実は、全然見る余裕がなくて…。育休中は、奥さんが生まれたばかりの赤ちゃんのお世話に専念できるように、上の2人の子どもの面倒と家事は全部僕が担当していました。朝7時に起きて朝ご飯の支度をして、洗濯機を回しながら幼稚園の支度、送り出し。戻ったら洗濯物を干して昼ご飯の準備をして。すぐに幼稚園のお迎え、習い事の送迎。夕方5時頃に帰宅したら夕飯の準備、子どもをお風呂に入れて夜ご飯を食べさせ、9時くらいに寝かしつけ。片付けをして洗濯物を畳んで、気づけばもう夜11時過ぎという怒涛の毎日でした。

前田

素晴らしいじゃん!

育休中にそこまでできるようになったの?

山田

そうですよ。奥さんの大変さ、ありがたさがすごく身に染みました。育児や家事が本当に大変で、正直早く仕事に戻りたかったですね。

伊藤

私は、決算のタイミングでさえなければ3カ月くらい休みたかったというのが本音です。家事も育児も嫌いじゃないから、なんなら主夫になりたいという気分でした。

前田

伊藤くんは、どんな役割分担だったの?

伊藤

最初は、私が主に長男を見るという計画だったんですが、思った以上に「お母さんじゃないと嫌だ!」とグズってしまって。だから方向転換をして、家事全般と、授乳以外の赤ちゃんに関するおむつ交換とか入浴などを僕が担当することに。奥さんが長男を担当するというスタイルに変更しました。

前田

夫に育休を取ってもらえば良かったかな〜。我が家は、3時間おきの夜泣きに備えてローテーションを組んでた。夕方、夫が帰宅してから夜11時くらいまでは育児をお願いして、その間に私は仮眠。夫の就寝時間にバトンタッチして、夜は私が見るという感じで時間配分して乗り切ったよ。

Q.復帰後も育児は続くわけですが、どのように仕事と両立していますか?

私は復帰する時、育児と仕事を両立できるかすごく不安だったかな。

前田

子どもって熱を出すとか、予想外のことが次々と起きるよね。だから私はまず、職場でサブに付いてもらえる後輩を育てることから始めたの。急に何かあった時にも代わりにお願いできるように業務を共有して。私自身が助かるのはもちろんだけど、本人の成長にもなればと思って、育成も兼ねていろいろ任せるようにした。

伊藤

我が家は、実家がそれぞれ遠方で急な対応の時にも頼れないので、時短勤務を希望したいと思っています。前田さんは時短勤務を活用されましたか?

前田

うん。一般的には時短勤務って保育園のお迎えに合わせて仕事を早い時間に切り上げるというのがスタンダードだと思うんだけど、アナウンス部という業務上、勤務が不規則なのでフリーフレックスを活用したの。コアタイムではなく、24時間のうち、自分の業務に合わせて今日は6時間、この日は2時間とか。短い時間でも働ける仕事を組み込んでもらって対応したかな。

私は1人目の育休明けの時、午後3時30分までの時短にしていたけど、周りのサポートとか空気感にすごく救われました。当時、営業推進部だったんだけど、「お先に失礼します!」と急いで退勤した後に、「これ確認してください」と言ってバス停まで追いかけられることもあって(笑)。でも、上司が周囲のスタッフに「星は3時30分に終業なんだから、それまでに仕事を整理できるようになりなさい」と周知してくれて。精神的にも楽になりました。

前田

いい上司だね〜。

今でも報道部は時間を問わず対応が必要になることがあるけど、私は子どもがいて夫も単身赴任中だから、なかなか対応が難しいのが現状。時間が短くても、違う形で貢献できるような働き方や選択肢がさらに生まれてくることを期待したい!

前田

それは確かにあるね。キャリアアップは必要だけれど、子育てと並行しながらだと時には息切れすることもある。例えば正社員以外の働き方とか、一度退職しても正社員として戻れるとか、気持ち的にも時間的にも余裕を持ちやすい選択肢が増えていくと、子どもとも仕事とももっと丁寧に向き合えていけそうだね。

Q.育児と仕事の両立を経験して変化したことや、これからの仕事に生かしていきたいことは?

前田

今はアナウンス部のデスクとして部のスタッフの勤務調整などを担当しているんだけど、今まで当然のように1人に任せていた業務も、複数人で仕事を分担するなどシフトの組み方を工夫しています。これからを担う若い方たちが、いろいろな働き方を選べるような基盤をつくれればいいなと思って。

山田

僕は、育児や家事が想像以上に大変だったこともあるけど、早く出社してみんなと会いたい、話したいってすごく感じました。育休を経験したことで、仕事をさせてもらっていることに対して家族にも会社にも感謝の気持ちが生まれたし、「育児の大変さに比べたらまだまだ頑張らないと!」って仕事へのモチベーションが高まりましたね。

伊藤

私は効率的に働くということをすごく意識するようになりました。今までやっていた方法や習慣を見直して、進め方を改善したこともあります。こういうマインドを、もっと業務にも活かせたらと思っています。

子育てがきっかけで、交友関係が広がったのは大きいかも。子どもを通じて出会い、子どもを介して親交を深めることで社会や地域を知ることにもつながるし、視野が広くなった気がします。

前田

子どもを持つ母になれたことは、私に“共感力”を与えてくれた気がしてる。私はアナウンサーという職業柄、発信するということが主な役割。だからこそ、子どもに関するニュースや親子のあり方に関する社会の課題など、様々な情報が溢れる世の中において、苦しさや辛さ、孤独感などを抱えているママに向けて「大丈夫だよ」、「一人じゃないよ」、「誰にだってそういうことあるよ」って伝えて、寄り添えるような存在になれたらいいなと思いますね。