社会貢献活動 〜皆さまの「心の真ん中」を目指して〜

朗読イベント

この地域出身の作家のおはなしや詩をアナウンサーがイベントで朗読しています。声だけでなく、表情や演出なども合わせてお楽しみ下さい。

朗読と南吉が愛したクラシック音楽~スプリングコンサート~

2012年3月18日() 半田市市民交流センター

「ごんぎつね」や「手袋を買いに」などの作者として有名な新美南吉。
新美南吉は地元、愛知県半田市出身で、半田市には南吉文学の世界と生涯を紹介した新美南吉記念館があります。
新美南吉記念館が2006年から開催している「朗読と南吉の愛したクラシックコンサート」は、南吉が愛したクラシック音楽を中心とした演奏と南吉の作品の朗読で構成されています。2009年からは新美南吉記念館と中京テレビがコラボレーションして開催し今回は3回目となります。
今回は、3月22日に69回目の命日を迎える南吉を偲び、また東日本大震災から1年を迎えるにあたり、悲しみ、光、希望などをテーマとした南吉の作品を中京テレビのアナウンサーが朗読します。南吉が愛したクラシック音楽の演奏と共にお楽しみ下さい。

コンサートの概要

「でんでんむしのかなしみ」

朗読 恩田千佐子 柏田ユウリ 佐藤和輝

皇后陛下が平成10年に国際児童図書評議会の世界大会で講演された際、ご幼少の頃に読んで聞かせてもらい心に残ったお話として紹介された作品です。以前はあきらめの物語と言われ、ほとんど評価されていませんでした。しかし、ご講演をきっかけに、他人の悲しみを知り、自分の悲しみに耐えていく力を持つことの大切さを説く物語として肯定的に読まれるようになりました。(昭和10年作)

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「木」

朗読 柏田ユウリ

南吉にはさびしい詩がいくつもあります。それは南吉自身がいつも言い知れぬ孤独を感じていたからですが、だからこそ冬陽に照らされた木の幹をなでただけで、そのさびしさを感じることができ、さびしいもの同士が触れ合う温かさも味わうことができます。私たちが南吉作品から感じる温かさの源泉は彼のさびしさにあるのかもしれません。(昭和14年作)

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「明日」

朗読 佐藤和輝

未来は希望です。児童文学を志す作家は、無意識にその希望を求めているのかもしれません。子どもたちを待っている未来はきっと明るい。そう信ずればこそ、現在の闇も描けるのです。孤独を抱えて悲哀をテーマに創作をした南吉が、大人の文学ではなく子どもの文学を目指した理由は、そんなところにあるのかもしれません。(『赤い鳥』昭和7年10月号発表)

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「飴だま」

朗読 恩田千佐子 柏田ユウリ 佐藤和輝

明快な起承転結、ドキリとさせる山場、意外な結末。たった3枚半の原稿用紙の中に南吉童話の面白さを凝縮したような作品です。平成23年度から国語の教科書(光村図書・5年生)にも採用されました。(昭和7年または8年作・推定)

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「かげ」

朗読 恩田千佐子 柏田ユウリ 佐藤和輝

南吉はこの作品で何を影に例えているのでしょうか。もう一人の自分としてふとした時に現れる潜在意識でしょうか、それとも結核に犯されながら創作をする作家に時間との競争を強いる死の影でしょうか。いずれにしても不気味なお話です。ところが意外にも子どもたちには人気があります。カラスが自分の影の正体を知らずに競争しようとするところが面白いのでしょう。こうした大人向きのテーマをちゃんと子どもが楽しめる童話にしてしまうところが、ストーリーテラー南吉の力量といえるでしょう。(制作年不詳)

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「うまやのそばのなたね」

朗読 恩田千佐子 柏田ユウリ 佐藤和輝

南吉は春が大好きです。「二ひきの蛙」「里の春、山の春」など春に関連した童話がいくつもあります。それは春が命の輝きを感じさせる季節だからでしょう。「うまやのそばのなたね」もまた南吉の春への思いが現れた作品で、生れ出て来る新しい命への祝福とさまざまな命の共生を見事に謳いあげています。(昭和10年作)

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「光」

朗読 恩田千佐子

太古から人間は光の中に神を感じてきました。その光は、畑の百姓にも、町の商人にも、窓辺で糸をつむぐ人にも、そして暗闇で働く坑夫にも射します。どんな境遇であっても神はいつもすぐそこにいてくれます。南吉がイメージする神とは、つまり仰ぎ見るような神ではなく、すべてをやさしく包んでくれる母のようなものなのでしょう。(『赤い鳥』昭和8年4月号発表)

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※今までの活動記録を掲載しているため、現在アナウンス部に在籍していないアナウンサーの活動も掲載しています。

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