今年7月、第2代のJリーグチェアマンに鈴木昌(すずき・まさる)氏が就任した。
今年10年目を迎えたJリーグ。新チェアマンはこれまでの10年をどう捉え、今後をどうしようとしているのか。シリーズでお伝えします。



 アントラーズの経営に関わっている時、私は3つの「柱」を持っていました。
  [1]地域の活性化に寄与する
  [2]地域のサッカーの向上に貢献する
  [3]経営的に自立する
の3つです。
[1]、[2]については【Jリーグの基本的な理念】のとおりですが、[3]も実は、この問題と関わっています。

 経営的に自立しておらず大きなスポンサー会社があるクラブ、わかりやすく言えば「親会社」「子会社」という関係のクラブに対しては、サポーターは先ほどお話したような強い“思い”を抱けないのではないかと私は感じています。

 「あそこはどこどこの会社のクラブだ」ということになると、サポーターは応援しても所詮自分の声なんか届かないんじゃないか、という冷めた気持ちになる。そうなると勝っていればまあ応援に行ってもいいか、でも弱かったら行かなくてもいいだろう。どうせあのクラブは自分たちのものじゃないんだし、ということになるだろうし、「いい循環」の全く逆のことになってしまうわけです。

 現実の経営面でいえば、大きなスポンサーがバックについていれば安心です。ただ長期的な観点で見れば、スタジアムに来る客を増やしていくということでは逆効果の要素になってしまうんではないでしょうか。だから私は経営の自立を目指したわけです。

 アントラーズにいたとき、私は地元を中心に40社以上の企業に出資を募りました。最初の反応はみんな同じでしたね。「住金さんの会社になんでそんなお金を出さなきゃいけないのか。住金さんが自分でやればいいじゃないか。」わたしはそのたびに「地域のためにやっていることなんだ。もうけるためにやるんじゃない」と言ってきました。

 現実として、勝っても客が入らないチームも、負けても客が入るというチームも存在します。例えば消滅してしまったフリューゲルスは、成績はすごく安定していたし優勝争いに顔を出していたこともあったけど客は入らなかった。逆にレッズは、まあ今季こそいい感じになってますがリーグ創設時から成績的にはずっとひどかったけど、スタジアムはいっぱいです。この違いはどこにあるのか、各クラブのフロントはしっかり考えなくてはいけないでしょうね。「たくさんのサポーターに支えられることが、いいクラブを作る」ということが真理なのではないでしょうか。
 もうひとつ真理をいうなら、サッカーというのは金をかけたら必ず強くなるというものではない、ということもありますが。







1935年(昭和10年)12月15日生 兵庫県神戸市出身
1954年3月
1955年4月
1959年3月
1959年4月
1974年4月
六甲学院高等学校 卒業
東京大学法学部  入学
東京大学法学部 卒業
住友金属工業株式会社 入社
住友金属工業株式会社 鹿島製鉄所 業務部運輸課長
 その後本社勤務を経て
1987年7月
住友金属工業株式会社 鹿島製鉄所 副所長
 ※ 1987年〜1988年 住友金属工業蹴球団 団長
1994年6月

2000年6月
2002年7月23日
株式会社鹿島アントラーズFC 代表取締役社長
社団法人日本プロサッカーリーグ 理事
株式会社鹿島アントラーズFC 特別顧問
社団法人 日本プロサッカーリーグチェアマンに就任




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