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父と掴んだ初タイトル…「首位打者」・福留孝介

『自分の子ながら立派だと思う』

先日鹿児島県大崎町の《首位打者》福留孝介の実家を訪ねたとき父・景文さんは語った。

三冠を目指すジャイアンツ松井の前に立ちはだかり、 その野望を打ち砕いたのが、4年目の今年本来の才能を開花させた福留。 正直昨年までの彼を見ていたらこんな偉業を達成するなど思わなかった。
しかし、景文さんは春先打席に立つ我が子を見たとき感じていた。
『今年は表情が明るい』
キャンプで死に物狂いになって新しい打撃フォ−ムを身につけた充実感がそうさせたのだろう。

努力が最高の結果を生んだ。



天才に妥協はなかった…
福留の地元大崎町はソフトボールが盛んで、そんな中、少年・福留は優勝旗を何本も奪ったという。
中学に上がると同時に少年野球チームに入り、そこでも非凡なところを見せ付け、全国大会で優勝という栄冠を手にした。 しかし、その陰には並々ならぬ親子の努力があった…。
家から練習場まで自転車で2〜3時間かかるところを休むことなく通い続けた。 そして、練習を終えてから家に戻ると今度は父とのティーバッティング。 全てが終わるのは夜の10時過ぎ、それから風呂・食事。 勿論勉強はその後からで、それでも翌日疲れで授業中に居眠りしたことはないという。 景文さんも自分の時間を削って付き合った。
『納得しない限り練習をやめなかった。』

天才努力を重ねて進化した。

今でも実家に帰ったときは4〜5キロ離れた砂浜を走るという。その姿勢は少年の頃と全く変わっていない。
『息子はプロ野球選手、アドバイスなんてとんでもない』
そう語る父は、我が子の来年の活躍も確信している。

『今年が最後というわけではないから、今までと同じ姿勢を貫いてさらにやってくれる。 期待している』

努力を惜しまぬ天才が、チームにまた優勝旗をもたらす日は近い。

[2002.10.17]
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