単独ロングインタビュー
―原竜太 いざアテネ五輪予選へ―
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4月1日、豊田スタジアムで開催されたU-22日本代表−コスタリカ代表の一戦で誰よりも大きな声援を集めたグランパスの原竜太。
グランパスサポーターの期待を一心に背負い、5月3日から始まるアテネ五輪2次予選に挑もうとする次世代のエースに話を聞いた。
「試合に出れなかった時の思い」、「去年の2ndステージ転機となったレイソル戦」、「理想のFW像」、そして「アテネ五輪への熱き思い」とは…?
なお4月19日(土)の中京テレビ「プラス1サタデー」(午後6時〜6時30分)の中で原選手の企画VTRを放送致します。 (ちなみに19日は原選手の22歳の誕生日でもあります)
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□今年はチーム、代表の掛け持ちで慌しい日々が続いていると思いますが、体調、気持ちの充実面はいかがですか?
去年の2ndステージからメンバーにも入って試合に出れるようになりました。そして代表。両方重なったりすると休みはありませんけど、それは「良い忙しさ」。苦には思わないし、試合にも集中して臨めている。むしろ充実してやっています。
□入団後2年間、去年まではなかなかチャンスをつかむことができませんでしたが…
入団の時からFWにはすごい外国人がいて。でもそういうレベルの高いところで自分を試したいからグランパスに入ったのだし、移籍を考えたりしたことは一度もありません。1年目にチャンスをもらって(リーグ戦出場12試合)課題を見つけることができた。2年目は出れなくて(リーグ戦出場2試合)悔しい思いをしたけど、1年目の課題を克服しようとやっていたので無駄ではなかったです。レベルの高い状況の中でどれだけ自分ができるかという気持ちでやってきたから、監督が新しい3トップというシステムを試してくれるようになったし、今でも着々とチャンスが広がっていると思います。
□去年の2ndステージでは18試合5得点と結果を出しました。印象に残っている試合はありますか?
9月7日のレイソル戦です。あの試合で決めたゴールから始まったというのがあります。ヴァスティッチが欧州選手権で欠場したのにスタメン出場できずベンチで悔しい思いをしていました。ウェズレイが退場するという思いがけない形で巡ってきたチャンス。どうにか自分の存在をアピールしたいと思っていてゴールを決めることができましたから。本当に大事な試合だったと思います。
□途中からゲームに出る場合が多いですが、ベンチから試合を見ていて身についたことはありますか?
試合の流れに乗るというのがすごく難しいんです。途中から出た人は疲れてないから動けるという単純なものではなく、一気に100%の力を出すとすぐ息が上がったりして。色々工夫することで、途中から出る流れというのはだいぶつかめるようになりました。
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□171センチと小柄な体ですが、どんなFWを目指していますか?
点はもちろん取りたいけど、それだけではなく、潰れる役でも得点に繋がるプレーをやっていければいいと思います。例えば僕はスペースを抜けたりする動きが特長なので、サイドに流れればアシストになると思うし、他にも攻撃のことだけではなく守備のことも考えてやっています。
僕のゴールはヘディングシュートが多いですけど、動き出しの質を高めていけば、身長が低いのはハンディにはならないですね。それは同時にジャンプしたらかなわないですけど、そんな場面は多くないし、そこは大きい選手に任せておいて・・・(笑)。
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□今年1月、U-22日本代表に召集された時の気持ちはどうでしたか?
入りたいとはずっと思っていたので率直にうれしかったです。去年のアジア大会は悔しい思いで見ていましたから。グランパスでしっかりアピールすればチャンスはくると思ってやっていたから、タイミング良くカタール遠征に呼んでもらって本当に良かったです。
でも自分たちの年代の代表ですから、「選ばれて当然」という気持ちもあります。今はもう、しっかりと代表で生き残っていくことを考えてやっています。
□もうすぐ始まるアテネ五輪2次予選にはどんな思いで臨みますか?
代表で試合をやっているうちにオリンピックに出たいという気持ちがどんどん強まってきています。そう簡単に出られる大会ではないし。出たらすごい経験になると思うし、ぜひ出たいですね。代表では途中出場が多いですが、役割をしっかり果たして、特に試合の流れを変えることを期待されて出る場合が多いですから、自分らしいプレーでチームに貢献したいです。
原竜太、21歳。 試合に出られなくても一度も腐ったことはなかった。そして日本代表に選ばれたことも通過点・・・。あくまで前を見据えている。 まだまだこれから。代表で活躍してその名を日本中に、いや世界へと轟かせてほしい。
取材:五十嵐智明
[2003.4.13] |