さらに打者側から見ると、早く左肩が開いて投げられるとボールの出所が分かりやすくなってしまう上に、 リリースポイントが頭に近くなる。これは好調なときと比べると20〜30センチ程後方に下がるため、ボールの体感速度は20キロ程遅く感じられる。 となると、いかに早いボールを投げようが簡単に打ち返されてしまうのである。
これがバンチ不調の原因だった。 ほんの数センチ、いや、数ミリの《左肩の開き》のズレがそれを生んだのである。
しかし、甲子園でのピッチングを見た限り、《左肩の開き》は直っていた。約2週間の再調整期間でそのズレを修正したのだろう。 だが、1回のピッチングだけで復活と判断するのは難しい。次回の登板でいかなる投球を見せてくれるのか、今後日程が厳しくなる ドラゴンズにとって彼の存在は絶対なだけに注目したい。
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