3月2日、ドラゴンズが沖縄キャンプを打ち上げた。先月私も
現地で取材させてもらったが、これほどすべてが順調に運んだキャンプ
も珍しいのではないか。
理想的なキャンプ運びは、序盤でまず体力作り、中盤で技術力
を磨き、終盤は実戦を見据えた練習が出来ればベストなのだが、
大抵は調整ミスや故障による脱落者が出たり、何らかの見込み
違いが出るもので、そううまくは行かないものだ。
ところが今年のドラゴンズキャンプでは、殆どの選手が大きな
故障をすることもなくそれぞれの目標を達成出来たのである。
首脳陣にしてみれば万々歳で、間違いなく12球団の中で最も
充実した内容のキャンプが出来たといえよう。
今回のキャンプで特に成長著しかったのは、投手陣では朝倉だ。
初日に投げ込みを行った時、右ヒザが深く折れ過ぎる悪いクセ
が出たのだが、これを山田監督が即座に指摘、翌日からすぐに
修正出来たのは幸いだった。 後はひたすら自分のピッチングを
把握することに努め「理想の型」を身に付けた朝倉は、今年は
さらに一皮むけ、相当の結果を残してくれることだろう。まず
はオープン戦でどんなピッチングを見せてくれるのか楽しみだ。
一方、野手で最も充実していたのは福留である。彼も昨年掴ん
だ自分のバッティングスタイルにさらに磨きをかけ、レベルを
また一段上げたようだ。昨年、あの松井に競り勝ち首位打者を
獲った自信が、迷いのないキャンプにつながったのだろう。
ただ彼の場合、唯一の心配は「過信」である。自信を持ち過ぎ
天狗にならなければ、連続首位打者も十分可能だろう。
優勝を狙える戦力が充実のキャンプを送った今年のドラゴンズ
は、間違いなくセ・リーグの台風の目になるはずだ。
|