いよいよプロ野球開幕まであと10日を切った。今年は開幕戦で12年ぶりに対決す
る
ドラゴンズとジャイアンツだが、川上・上原のエース対決と共に、その女房役・
谷繁
と阿部の「キャッチャー対決」も大きな見どころの一つだ。
ジャイアンツ重量打線には今年からペタジーニが加わったが、谷繁にとっては昨
年も
戦った相手であり「未知の新戦力」ではない。他のメンバーは殆ど昨年と変わっ
ておらず、リード面でさほど苦労はないだろう。
さらに谷繁にとって幸運なのは、球場が
東京ドームで、開幕投手が川上だということだ。そう、昨年の《ノーヒットノーラ
ンゲ
ーム》と同じ状況で開幕を迎えられるのである。あの試合はバッテリーにとって一
つの
理想型だったが、同じイメージで試合が進められるのは非常に大きい。
対照的に、阿部はかなり苦労するだろう。ドラゴンズ打線にはアレックス・クル
ーズ
という2人の新戦力が加入した。その対策を新たに考えねばならないが、勝手知っ
た
る相手なら「攻めのリード」も可能だが、一発のある未知のバッターに対しては
慎重
なリードをせざるを得ない。これが消極的なリードにつながる危険もある。
さらに、昨年よりレベルアップした首位打者・福留もマークする必要がある。福
留を
一番に据え、捕手にとって厄介なジグザグ打線を組んでくる可能性もあり、余計
に神
経を使うだろう。 さらに心配なのは、上原の調子が良くないことだ。開幕に向け
て疲
れを残さないよう力をセーブしているならいいのだが、もし足やヒザに故障を抱
えて
いるのなら、阿部もリードに気を遣わざるを得ない。
《万全の状態》で開幕を迎える谷繁、一方、
《不安要素》を抱える阿部・・・しかし勝負
は始
まってみないと分からない。2人が開幕でどんなリードを見せてくれるか注目した
い。
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