台湾(2)日台鉄道迷交流会。

この建物の一室をお借りしての日台鉄道迷交流会。

日本側と台湾側とで約50名が参加。

日本の話題としては、神谷武志さんが「知られざる 日本の鉄道情景」というテーマで、日本各地の鉄道情景をスライドで紹介しながら撮影地と撮影秘話を紹介。

一方台湾側は、NPO法人名古屋レール・アーカイブスが旧打狗駅故事館(きゅうだくえきこじかん/舊打狗驛故事館)館長の古庭維さんに提供したJ.Wally Higgins (ジェイ ウォーリー ヒギンズ)さん撮影による昭和30年代(1956~1959年)の台湾の鉄道写真の解説。
※旧打狗駅故事館は高雄市にある鉄道博物館で、車両の静態保存や資料の収集、公開をしています。

冒頭、NPO法人名古屋レール・アーカイブス理事長の服部重敬さんからまずはヒギンズさんとはどんな経歴の方であるかを紹介。それから写真の上映がスタートしました。

そしてその開始直後、古さんの解説で驚かされたのが、ヒギンズさんの写真の価値について。

私たちはカラー写真が一般的で無かった時代に、カラーで多くの作品を残されたことの素晴らしさに第一義の価値を感じていたのですが、その価値観はまだまだヒギンズさんの本質を知らなかったと認めざるを得ませんでした。それは何故か?

当時の台湾は、大陸で成立したものの国共内戦により台北への遷都を余儀なくされた中華民国の統治が始まってまだ時間が経っていない時代で、鉄道は軍事面から撮影が禁止されていました。
それにより、この時代では鉄道関係者、国民、旅行者のどんな立場にある人でも鉄道の姿を記録することはまず不可能だったとのこと。
そんな中、例外とも言えるのがヒギンズさん。
米軍の軍属として、仕事で台湾を訪問しており、それゆえ例外中の例外として撮影が認められた可能性が高いとのこと。
キーワードは「米軍」。

ソ連(現ロシア)をはじめとした共産圏の国では「鉄道の撮影禁止」は結構ありますし、西側の国でも一部撮影に制限がある国は存在します。
ただそれが台湾でも同様の時代があったとは全く知りませんでした。
台北に昨年開館した「国家鉄道博物館」でも、確かにその頃の写真はあまり見かけていません。
つまり1950年代の台湾の鉄道写真があること自体が素晴らしい記録であり、しかもそれがカラーで残っていることは“奇跡”とも言えることが分かったのです。

日台鉄道迷の交流の場で、NPO法人名古屋レール・アーカイブスで所蔵する写真が役立ち、なおかつそれが私たちの想像を越える展開に立ち会えた今、ヒギンズさんへの敬愛が一段と深まりました。

最後に神谷さんと古さんの握手。
そして手前では、日本人参加者と台湾人参加者で握手が交わされていました。
