笹島駅。
●写真提供…青木英明氏
昭和4年(1929年)5月1日、名古屋駅貨物取扱所として開業し、昭和12年(1937年)2月1日に名古屋駅から独立し、笹島駅となりました。
そして昭和61年(1986年)に廃止されるまでの57年間、名古屋の物流を支えてきました。その存在の証は今もほんの少しですが残されています。
東海道本線の高架下の通路。
道路が石畳になっているところがあります。これは装飾ではなく、実用的な意味のあるもの。笹島駅開業時にあった荷馬車の車輪がぬかるみにはまることなく動けるようにしたもの。謂わば舗装道路の一形態。
もう一つは新幹線の高架下にある線路。今も剥がされることなくこうして残されています。またこの先には小さな転車台もあります。
こうした遺構が何故存在するかは謎です。何か理由があったのか、それとも偶然の産物?
これらは中京テレビがささしまライブに引っ越したことで、私はその存在を知りました。もっと言えば、引っ越したからこそ笹島駅に興味を持ったのは間違いありません。
●写真提供…青木英明氏
昭和47年(1972年)3月以降の笹島駅。年代特定は名古屋市電笹島線(笹島町~六反小学校前)の線路が見えないからで、なおかつ道路の舗装もきれいになっていることから昭和50年前後と思われます。また名鉄電車(3700形+3730形)の塗り分けがクリームに赤帯であることから昭和50年代に入って直ぐまでと特定できます。
それはともかく国鉄貨物に活気があったことを知ることが出来る1枚。これだけの規模がありながら、跡形もなく無くなってしまったと思っていた笹島駅。それがほんの一部とは言え残っている奇跡を今、このブログを書きながら噛みしめています。