大阪モノレールでは、積極的に広報されていないようなのですが、あえて触れます。
大阪モノレール3000系のつり革。紫色がお洒落だと思います。
で。ふと見ればハートのつり革あり。
一方このつり革は、「~幸せつかもう!ハート♡バス~」というイベントで、名古屋市交通局が2017(平成29)年2月14日から1年間、2台のバスに取り付けていたもの。当時、約1000台の市バスが走っており、またそのバスの所属営業所が非公開でしたので、出会うことは極めて困難でした。
一方大阪モノレールのハートのつり革は全編成で1本だけ。全車両で合計3000本のつり革があるそうですが、どの編成のどの車両かは非公開なので、こちらも出会うハードルの高いさは尋常ではありません。
それで大阪モノレールの担当者に、思わず聞いてしまいました。「この編成に乗れば(幸せは)つかめるのですか?」と。もっとも括弧の中の(幸せは)は恥ずかしくて声に出せませんでしたが…。
その答は、驚くなかれ「このつり革は今回の運転体験用に特別に付けたものです。この車両では今日限りです。」。驚くなかれと書いたのは言葉の綾ですが、この回答が本当かどうかを確かめることは、このつり革を握った私でも多分、難しいでしょう。
とまあ大阪モノレールの「全国初!『モノレール運転体験会』」にかける熱意は、こうしたところでも十分に感じることが出来ました。
そして今回、運転の合間に聞いたモノレールの万が一の際の対応。
その中で気になったのが降下救出。
車両から青いチューブ状のもの(脱出シューター)が真っ直ぐ道路面まで下げられていますが、それが飛行機の脱出シューターと同様の装置と聞きました。違いは飛行機では滑り台を降りるが如くですが、こちらはらせん状となっているチューブの中を通って降りるのだそうです。
その説明と聞いていたときに私の顔がこわばったのを見られたのか、これがなぜ大丈夫なのかの補足がありました。さてこの先ですが、是非「運転体験でお聞き下さい」とするのがいつもの私のパターンなのですが、今回は非常時の安全に関わることなので紹介します。
写真でもらせん状の模様が見てとれますが、正にそこを人が通るのだそうです。人間の身体と装置の摩擦により、それほどのスピードは出ないそうで、体重の重い人(表面積が多い?)よりも、軽い人(表面積が少ない?)人の方が、若干ですが降下速度は早いそうです。と言ってもその速度は知れており、見た目のイメージとはかなり違うと聞きました。
写真は訓練時とのことで、実際に大阪モノレールの職員さんがこの降下を体験されたそうですが、性別や体型を問わず、「大丈夫と思ってやれば恐怖感はない」との感想(大阪モノレールの担当者の説明のニュアンスを私が言葉にしたもので、この通りの言葉ではありません)だったそうです。
車内にある「救助器」と書かれたボックス。この中に脱出シューターが入っています。
このような脱出装置は他社でも導入されており、モノレールの安全・安心が進歩していることを改めて知った良い機会となりました。
何だかよく分からない線路を覆っている建造物???
これは洗車機とのこと。そして驚くなかれこの洗車機、自走式。多くの鉄道事業者の洗車機は固定されており、車両がその中を通過していくのですが、ここでは線路の長さの関係で、停車している車両を洗車機が洗いながら移動して行くのだそうです。
車両基地見学会では、それを体験する事が出来るそうですが、この体験だけのためにここに来るのもありかもと思った次第。
全てのプログラムが終了し、いよいよお別れです。
と振り返れば「幕回し」。最後まで油断も隙もない大阪モノレールの運転体験会でした。
楽しく過ごした鉄道の日の午後。大阪モノレールの皆さま、大変お世話になりました。ありがとうございました。
記念品の運転体験修了証。
顔写真を貼って、再訪することを願い、本稿を終了します。