稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

名古屋の鉄道136年史(昭和戦前編39)名鉄名古屋駅の誕生。

(参宮急行電鉄、関西急行電鉄、伊勢電気鉄道の年譜)

*昭和5年(1930年)4月1日。参宮急行電鉄/現在の近鉄大阪線/桜井駅~参急中川駅 全通 軌間は1435ミリ

*昭和5年(1930年)12月25日。伊勢電気鉄道/桑名駅~大神宮前駅 全通 軌間は1067ミリ

*昭和6年(1931年)3月17日。参宮急行電鉄/現在の近鉄山田線/参急中川駅~宇治山田駅 全通 軌間は1435ミリ

*昭和11年(1936年)9月15日。伊勢電気鉄道、参宮急行電鉄と合併

*昭和13年(1938年)6月20日。参宮急行電鉄津線/現在の近鉄名古屋線の一部/参急中川駅~江戸橋駅 全通 軌間は1435ミリ

*昭和13年(1938年)6月26日。関西急行電鉄/現在の近鉄名古屋線の一部/桑名駅~関急名古屋駅 開通 軌間は1067ミリ

*昭和13年(1938年)12月7日。参宮急行電鉄/江戸橋駅~参急中川駅間を改軌 1435ミリ⇒1067ミリ

*昭和15年(1940年)1月1日。関西急行電鉄、参宮急行電鉄と合併/関急名古屋駅は参急名古屋駅に改称などあり

*昭和16年(1941年)3月15日。大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道が誕生。参急名古屋駅は関急名古屋駅に改称などあり

現在の近鉄名古屋線、山田線の戦前の動きを簡単に纏めてみました。

●昭42年(1967年)3月28日「名古屋駅八十年史」(国鉄名古屋駅)

国鉄名古屋駅の歴史を記した「名古屋駅八十年史」には近鉄同様、名鉄名古屋駅の工事についての記載と写真がありました。

「名鉄西部線名古屋駅乗り入れ工事」との説明書きがありますが、本文では西部線の乗り入れでなく、笹島線(枇杷島・新名古屋間)となっています。ということで今日は、地下駅として開業した近鉄名古屋駅同様、名古屋に大きな変革をもたらしたもう一つの地下駅である名鉄名古屋駅(当時は新名古屋駅)の歴史です。

●昭和16年(1941年)4月5日「名古屋市街全図」(六楽舎 )

地図上部にある青い色の○で囲んだところから青い矢印の路線が、新名古屋駅に向かう新路線。国有鉄道名古屋駅の南東側に駅が作られています。青い色の○で囲んだところ。地図上では「名古屋鉄道地下線」と名前が振られていますが、この地図以外でその名を見たことが無いので、分かり易くすべく便宜的に記されていたのかも知れません。

●昭和36年(1961年)「写真でみる名鉄の今と昔」(名古屋鉄道)

今の名鉄名古屋駅ホームの一番北の端あたりでしょうか、線路を覆うものがないので、何とも不思議な感じです。

●昭和36年(1961年)「写真でみる名鉄の今と昔」(名古屋鉄道)

何となく「分かる」風景と言えなくもない写真。

現在の名鉄名古屋駅の開業は昭和16年(1941年)8月12日。当時はまだ岐阜方面のみの開通で、岐阜~名古屋~豊橋間が一本の線路で繋がる日は、昭和19年(1944年)9月1日 まで待たねばなりませんでした。

参考までに現在の名古屋鉄道が誕生したのは昭和10年(1935年)8月1日。

●昭和16年(1941年)4月5日「名古屋市街全図」(六楽舎 )

この地図で、柳橋電停の左上の矢印にある「やなぎばし」に乗り入れていたのは名岐鉄道。そして現在の神宮前駅から豊橋、知田方面に路線を広げていたのが愛知電気鉄道。2つの会社は1つになったものの、本当の意味で1つの鉄道となるまでには9年もの歳月が必要でした。

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