稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

名古屋の鉄道136年史(昭和戦前編1)広小路通と大津通。

名古屋の目抜き通り、広小路通り。

画面右下の「中村呉服店」。後に今の栄交差点に移転しオリエンタル中村百貨店となった現在の名古屋三越です。

昭和初期の撮影と思われる1枚。市電やバスといった交通機関の合間を縫って人が行き交っています。ところでこの絵はがきの私の印象ですが、「並木道」がきれいだと感じたこと。碁盤の目の街並みに、見える限りの先まで続く緑の筋は、近代都市の美しさを象徴しているようです。

(補足説明)

この絵はがきはカラーですが、カラー写真ではありません。その時代にまだカラー写真は実用化されておらず、これはモノクロで撮影した写真に手で色を付けた彩色写真と呼ばれるもの。それにしてもリアルな色使いには驚かされます。とは言っても、この絵はがきの色が正解かどうかの答えを私は持っていません。

ただただ凄いなあと思うばかり。

やはり昭和初期の撮影と思われる絵はがき。

今も地元・名古屋の百貨店と言えば大津通沿いに建つ松坂屋。航空写真で見ると、大津通はかなり広い道路として存在感がありますが、沿道で目立つ大きな建物は松坂屋しかありません。

大正15年(昭和元年/1926年)の名古屋市内電車線路図。その真ん中にこの図中で唯一の商業施設である松坂屋がでんと構えています。間違いなく名古屋を代表するランドマークであったのでしょう。

ところで松坂屋の絵はがきは実は松坂屋の発行。一般に発売されていたのか、それともお得意さんへの記念品だったのかは分かりませんが、百貨店がこうした絵はがきを作っていた時代があったのですね。

参考までに、松坂屋百貨店が栄町交差点からここ大津通沿いに移転したのは大正14年(1925年)5月のこと。ひょっとすると移転記念でこの絵はがきを作り、配布していたのかも知れません。

タイトルの「名古屋名所」で出てくるのは名古屋城と熱田神宮。確かに名古屋を代表する名所です。

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