稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

笠原鉄道の轍(わだち)。

1978(昭和53)年11月1日。

東濃地方から一つの鉄道が姿を消しました。東濃鉄道笠原線。

1944(昭和19)年3月1日までは笠原鉄道という名前の鉄道で、現在のJR多治見駅に隣接した新多治見駅から岐阜県土岐郡笠原町内(現在は多治見市笠原町)にあった笠原駅を結んでいました。

「最新鉄道旅行地図」(1935(昭和10)年3月25日発行 中和書院)

このエリアの主産業である陶磁器原料および製品を運搬する目的で敷設された鉄道で、1971(昭和46)年までは貨物だけではなく旅客営業も行っており、そのためこうした鉄道路線図にも笠原鉄道の記載がありました。

(注)地図では多治見駅~新多治見駅間が繋がっていますが、この区間は1958(昭和33)年に廃止されており、全線廃線時は新多治見駅~笠原駅間の鉄道でした。

その懐かしの笠原鉄道の歴史をたどる展示が、多治見市のヤマカまなび パークのオープンギャラリーで今月(10月)31日(火)まで開催されています。

※月曜日は休館。ヤマカまなび パークは多治見駅から徒歩5分ほどです。

実はこの展示に出かけた知人から、「規模は小さいけれど充実した内容です。」との連絡があり、それで私も昨日(10月26日)、会場に足を運ぶことにしました。

乗車券であったり、当時使用された帽子などの各種資料あり。

懐かしの写真類も数多くありましたが、「おっ!」と思ったのがこのディーゼル機関車。

2013年3月10日、大井川鐵道井川線川根両国駅隣接の両国車両区にて撮影。

元々大井川鐵道で使用されていた機関車で、井川線のトンネルの高さに合わせたその独特のスタイルは印象に残るデザインで、それゆえ東濃鉄道笠原線での、貨車の大きさに比べちょっと不思議なアンバランスさが未だに私の脳裏に残っています。

今回の展示の図録。一冊500円。価値ある一冊と思い購入しました。

会期末が迫っていますが、もしお時間が許せば足をお運び下さい。会場は広くはありません。そして展示してある写真などの点数も決して多くはありません。でも、興味深い展示であることは間違いありません。

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