名古屋市電気局発行の名古屋城縦覧開始記念「電車往復乗車券」。
名古屋市民に限らず広く知られている名古屋城は、慶長17年(1612年)に大・小天守が完成。本丸御殿は元和元年(1615年)に完成しています。
ところで名古屋城と言えば、一般に公開され、誰でも入れる場所であるのですが、そうなったのは昭和6年(1931年)のこと。そしてそれを記念して発売されたのがこの乗車券です。
以下、鉄道とは離れた話しを書きます。
吉田初三郎画伯の手になる「名古屋城」。この絵はがきは恐らく昭和6年の一般公開後と思われますが、名古屋城そのものは公開前であっても、名古屋名所として絵はがきや名所図絵(版画)では定番となっていました。
大正10年(1921年)発行の「金城名古屋名所図」。徳川御三家の居城で、その偉容を誇った名古屋城。明治維新後もその存在はあまりに大きく、名古屋の象徴であったと言えそうです。
名古屋城。取材だけではなく、お客さんをお連れしたこともありますし、今はプライベートでも出掛けます。
本丸御殿。再建された時はあまり興味が無かったのですが、一度出掛けてその素晴らしさに圧倒されました。
再建された本丸御殿。昭和6年時は、当然のことながら創建時のもの。
明治維新に伴い、解体、撤去されたお城のある中、名古屋城は永久保存すべきとの声があがり、明治26年(1893年)に本丸・西之丸東部は宮内省が管理する「名古屋離宮」となりました。実はその後公式には「名古屋離宮」と呼ばれており、昭和5年(1930年)に宮内省から名古屋市に下賜されて再び「名古屋城」と呼ばれるようになったそうです。
(参照:名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所)