大正11年(1922年)8月1日に名古屋市交通局(当時は名古屋市電気局)が誕生し、その10年後の絵はがき。
市営十周年記念の絵はがきなのですが、スタンプの日付は昭和8年10月8日。発行されたのは昭和7年(1932年)で、これを手に入れてスタンプを押してもらったのが十周年の翌年ということかも知れません。
最初の写真のモノクロ版。但し写真の説明は「大名古屋祭花電車(昭和8年10月)」
そこで目を凝らしてよくよく見てみれば…。両方の写真の提灯に注目。上から2段目のブロックには「大名古屋祭」とあります。
ここからは推察ですが、昭和8年開催の「大名古屋祭」に合わせて市営十周年の花電車を運行した。ではないかと。
ところで同じ写真のカラー版とモノクロ版ですが、当時の写真撮影はモノクロで、その後に手彩色で色を着けた絵はがきは数多くあります。ただ同じ写真のカラー版とモノクロ版があるのは珍しいのではないでしょうか?私の知る限りですが、この「市営十周年」「大名古屋祭花電車」だけです。
花電車だけではなく、昭和の時代に入り花バスもありました。ただ目を皿のように探してもスポンサー名は見つからず。
折角なのでスポンサーありの花電車を紹介。「森永キャンデーストアー」。
ちょっと分かり難いですが「明治製菓売店」
今のようなお菓子屋さんであったり、スーパーの菓子コーナーではなく、製菓メーカー直営の売店が、栄町か広小路通りにあったのでしょう。
「熱田神宮御遷座祭記念」。調べたところ昭和10年(1935年)のイベントでした。
こちらは花バス。電車にしろバスにしろ、色彩が素晴らしいと思います。
●昭和27年(1952年)8月1日「市営三十年史」(名古屋市交通局)
市営化される前の名古屋電気鉄道時代の花電車。
日露戦争は明治37年(1904年)2月から明治38年(1905年)9月ですから明治39年頃の写真と思われ、その頃には花電車が誕生していたと言うことでしょう。
●昭和27年(1952年)8月1日「市営三十年史」(名古屋市交通局)
明治43年(1910年)開催の「第10回関西府県連合共進会」の花電車。名古屋の花電車の歴史は予想以上に早くから始まっていました。