稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

名古屋の鉄道136年史(明治時代14)明治32年に作られた鉄橋を転用した向野橋(こうやばし)。

近鉄米野駅から歩いて15分ほど、近鉄名古屋線、JR東海名古屋車両区、関西本線、あおなみ線を跨いでいる向野橋(こうやばし)。

撮影スポットとしても知られるこの橋ですが、実は作られたのは明治32年(1899年)。名古屋にある鉄道建造物ではトップクラスの長生きさんです。

と言ってももともとここにあったわけでは無く昭和5年(1930年)にやってきました。ではどこから?

民営の京都鉄道(現在のJR西日本/山陰本線)が、京都駅(実際には京都駅~嵯峨駅間は既に開業済み)から園部駅まで開業した際に保津川に架けられた保津川橋梁。

急流の保津川を越えるため1スパンで作られた特徴ある橋。それゆえ現在の向野橋のような場所への移設はうってつけだったと思います。

保津川下りの観光船が写っていますが、その始まりは明治中頃と聞いており、何れにしても京都鉄道開業時にこの風景は見られたはずです。

嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車が渡る2代目の保津川橋梁。

昭和3年(1928年)に初代から掛け替えられたもので、山陰本線が現在のルートに代わった後もこうして現役で使われています。

向野橋は、平成23年(2011年)10月17日に名古屋市の「認定地域建造物資産」に登録されており、私は名古屋市内では一番古い『現役』の鉄道建造物であろうと思っています。

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