今日は、皆さんにはあまり馴染みのない話しかと思います。
3冊の本。
左から酒井順子著「鉄道無常」(2021.5.28発行 角川書店)
内田百閒著「阿房列車」(1952.12.30発行 三笠書房)
宮脇俊三著「時刻表2万キロ」(1978.7.10発行 河出書房新社)
酒井さんの著作は、発行時に購入したものの、これまで読んでおらず、最近やっと読みました。
ひとことで言えば、内田百閒著「阿房列車」と宮脇俊三著「時刻表2万キロ」から読み取れる「乗り鉄」としての共通点と違いなどの分析と、自分のその2冊へのリスペクト(敬意)を綴った一冊と私は読みました。
ところで内田百閒著「阿房列車」と宮脇俊三著「時刻表2万キロ」は、私のような乗り鉄の元祖ともいえるお二人の想いが詰まった2冊です。
内田百閒さんは、私が思うに用事(目的)のない旅の元祖でしょう。
私の旅も、大学生の頃はそれに近いものがあり、取りあえず北海道に行ってみようと思い、それで旅には出るものの、泊まるところはあらかじめ決めておらず、夕方着いた駅もしくは乗った列車が夕方着きそうな駅の近くの宿(主にユースホステル)に電話し、宿泊。翌朝、朝食の時間後に出る列車に乗り、また旅を続けるスタイルでした。そしてワイド周遊券の期限が迫るとしょうが無いので東京に戻りました。
大学2年生の時に沖縄(返還後でしたが、車はまだ右側通行の時代でした)に出掛けましたが、大阪から奄美大島経由那覇行きの船に乗ったものの、当初は奄美大島で下船のつもりが気が変わり、結局那覇港まで乗船し沖縄に行ってしまった次第です。
内田百閒さんの著作を読まれていない方は是非、一度目を通してみて下さい。私がここに書いたことが何となく分かって頂けると思います。
更に言えば、内田百閒さんの著作には、列車内の様子、例えば食堂車の様子であったり、鉄道事業者の公式記録では出てこない、昭和20年代の鉄道の旅の光景が生き生きと描かれています。
一方、宮脇俊三著「時刻表2万キロ」は、私が乗りつぶしをしている時に発行されており、この本のヒットのおかげで、会社への休暇申請時の説明がしやすくなりました。単なる物好きが、思いがけず市民権を得てしまった瞬間でした。
先の2冊に加え、もう一冊、乗り鉄系の私の大切な本。
石野哲著「時刻表名探偵」(1979.3.10発行 日本交通公社出版事業局)
これも私の乗り鉄魂に影響を与えた本です。
こうした本との出会いの中で、私は日本の鉄道完乗をしていったのです。
とこここまで書いて、本当に今日は何とも不親切な内容で申し訳ありません。ご容赦下さい。
で、何が言いたかったかと言えば、酒井順子さんの著作のおかげで私の乗り鉄の原点を思い出したということです。