南極シリーズ、あと少し続きます。
名古屋港ガーデンふ頭には南極観測船ふじが係留され、中は見学できるようになっています。
このふじは日本では初となる極地用の本格的な砕氷艦で、自衛艦としては初のヘリコプター搭載艦。今では当たり前の感がある南極観測船のヘリコプターですが、その歴史はこのふじから始まったのです。
南極にツアーで行けることを知ったのは2018年。この年の4月19日に南米ペルーのリマ空港に降り立った時、これであと南極に行けたら地球の全大陸制覇だ!と思い、それから調べたら、な、な、何とツアーがあることを知ったのです。
ただその時は、まだ本気で行こうとは思っておらず、きっかけはコロナ禍。世の中いつ何時、何が起こるかもしれないことに改めて気付き、であれば思い残すことの無い人生を目指し、短絡的ではあるものの南極を目指すことにしたのです。ただその矢先に先述した通り、ただ歩くことも困難となったこともあり、南極訪問決行は先送りにし、色々調べることにしたのです。
南極観測船ふじは1965(昭和40)年月18日に進水、同年から南極観測船としての役割を「宗谷(そうや)」から引継ぎ、1983(昭和58)年4月まで南極地域観測隊輸送に従事しました。
退役後の1985(昭和60)年8月から、ここ名古屋港で一般公開されており、早いものでもう40年近くここにいるのです。ここが私にとって、一番身近な南極。
個人的には、こうしたマネキン人形により、往時の姿が再現されていることがわかりやすくお勧めです。ここは診療室ですが、ちゃんと脱いだ靴があるのもナイスです。
面白いと思ったのはこの理髪室。「手先が器用な…」との解説にはクスッときました。
また船内には「南極の博物館」もあります。
日本と南極との面積の比較。参考までに、左上のぴょこっと飛び出ているのが、今回訪問した南極半島です。
こうして甲板に立ってみれば、気分は南極観測隊員。
ところでふじの目の前にある「ふじの広場」。実は南極の形をしているのです。名古屋港ポートビルから是非、ご確認下さい。
このふじの大きさですが、9120トン、全長100m、全幅22m。
一方クルーズ船のワールドエクスプローラー号は、9,000トン、全長126m、全幅19m。
このふじを20mほど細長くしたのが今回のクルーズ船ですので、私がどんな船に乗っていたかの見当がつきます。
「ふじの広場」にあるタロ・ジロの像。1958(昭和33)年、南極の地に置き去りにされた15匹のカラフト犬の内、この2匹が1年間生き延びていたことが当時、大きな感動を日本人にもたらしました。
映画「南極物語」でその名を知った方も多いかと思います。
このタロ・ジロは、直接ふじとの縁はありませんでしたが、ここにふじを係留する際に、その功績をたたえて建立されました。
最後に。
南極に興味が無い人も、折角縁あってふじがこの地にあるので、一度「乗船」されては如何でしょうか?